マネジメント系小説が恥ずかしい理由


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それゆけ!!だよもん星さんに教えていただきました。コンサルが主人公となって、救世主のように大活躍する小説です。

デスマーチが起きる理由 - 銀の弾丸は魔法ではない

内容は、デスマーチ(いつまで経っても終わらないプロジェクト)と化したプロジェクトを、ある日フラリと現れた「背は低く、おせじにもカッコ良くはない」コンサルタントが見事に解決し、

  • 管理職は「オレが間違っていた」改心
  • メンバーは「どうしてこんな単純なことに、今まで気がつかなかったんだ!?」と、感激の余り忘我の涙が止まらない
  • コンサルタントは「いやボクは当たり前のことをしただけですよ」余裕の謙遜
みたいな感じです。

ここで提案されている方法も、結構面白かったです。超単純化すると、

  • 事実を短文化した付箋を大量に作る
  • 付箋を互いに繋げ、新しい事実や問題や解決策を見つける
  • いずれにしろ、今までの常識に捕らわれて考えないように注意する
という感じですかね?
昔からよく使われてきた手法で、僕もアイディアプロセッサやホワイトボードで時々やりますが、確かに、時と場合によってはとても効果的だと思います。
それと、この方法を繰り返していると、自然と、自分が常識に囚われない発想の人になっていくという利点もあります(そういえば、インスピレーションというソフト、もうバージョンアップしないんですかね……こういったブレスト的な作業に最適なツールだったのですが……)。

この小説は、上記の手法が、実際の現場でどのような魔法の効果をあげていくのかを、物語仕立てで紹介しています。
確かに、物語化されていた方が、より具体的に理解できる場合もあると思います。「物語」は人類最古の記憶術ですし。
ただ……この手の本に、僕はいつも気恥ずかしい気持ちをいだきます。だからあまり読みません。
一体何が問題なのでしょう? この小説に倣った方法で、この問題を図示してみたいと思います。

management2004071201一方には、小説を書いていく内に、より面白い物語を書くことの楽しさに目覚めた「作者」がいます。もう一方には、単に問題解決理論を手っ取り早く習得したいだけで、物語部分は、単に実際に近いケーススタディぐらいにしか思っていない読者」がいます。

僕は当然のことながら「読者」の側にいます。そんな僕がこの種の本を読み進めていていると、時折、「小説をより楽しいものにしようと、作者がノリノリになって書いている箇所」にブチ当たります。例えば今回の「デスマーチが起きる理由」だと、以下の部分ですね。

最初に口を開いたのは、なんとヨハンだった。「間違っている」彼は怒りに震えて言った。

「『プロジェクト単位にコスト(人件費)を集計することは間違っている』。ボブの言っていることが正しい。私の使っているコスト計算方法は間違っている!」

自分たちが間違った常識を信じていたのだと、もうみんな理解していた。ヨハンはジョナサンのほうに振り向いて言った。

「どうすればいい?どうすればもっと上手くマネジメントできるんだ!?」

ふと、私はアイスコーヒーを見た。もうすっかり氷は溶けてしまっている。魔法か。そんなものは存在しない。物理法則は誰にも変えられない。好き勝手に時間を遡ることも出来ない。魔法などというものは存在しない。当たり前のことだ。当たり前だって? 私は自嘲する。今日は信じていた常識が崩れた日じゃないか。もしかしたら、魔法だってあるのかもしれない。しかしどうして、私たちは常識が間違っていることに気付けなかったのだろうか。
「少し脱線するが、いいかね。ちょっとした御伽噺の話をしよう。狼男を殺す銀の弾丸の話だ」

「まさか……」アレクサンドが呟いた。

私も信じられない。『人月の神話』は読んで知っている。だが、まさか、本当にあるというのか?そんなものが。


こういった文章を読むたびに、僕は、作者がノリノリで書いている姿を思い、ぜんぜん面白く書けていないという事実を思い、そしてブルーになっていってしまうのです。
イタい。余りにもイタい。創作に必要な何かが決定的に欠けていることからくるイタさですが、そもそもこの種の小説は、「物語としての面白さは二の次で、そこに含まれている理論を判りやすく説明するのが目的」という言い訳をあらかじめ内包しているので、僕のような意見は、
「なんという的外れな指摘なのだ」
ということで、闇に葬り去られ、僕は嘲笑と罵倒の対象になる、という結果に終わるのです。

海の向こうのアメリカでは割と流行ってるらしい、この種のドラマチックにビジネスを勉強する方法、日本にも今後、積極的に輸入されてくるんですかね……

thegoal2004071202

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