「星野道夫メモリアルプロジェクト@Miraikan」レポート


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広告は以上です。

Hoshino2006081201さて……

ネタ話だけではなく、「星野道夫メモリアルプロジェクト@Miraikan」全体についても、簡単にレポートを。

アラスカに魅せられ、アラスカに住み、アラスカを撮り続けた写真家、星野道夫
彼がクマに襲われて彼岸の人となってから、早10年が経とうとしています。

彼の、ただの写真家に収まりきれない、なんというか、魂の強さみたいなものを、この小さなイベントでも感じることができました。

 
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全部で2部構成になっていて、
第1部は龍村仁による講演。
第2部は山口智子による朗読と、
ボブ・サムによるストーリーテリング。

映画「地球交響曲」の監督である龍村仁さんは、
地球交響曲、第3番」での話を中心に、
星野さんとの関わりについて話してくれました。

表現者として必要な、
「対象から少し距離を置いて眺める」
ことは判っていつつも、
対象に近づくことをやめない星野道夫の態度を、
「普通ではとてもできない誠実さ」だとして、
龍村さんはいたく尊敬しているようでした。

また、彼の写真には、写真には写っていない、
目に見えない無限の世界が存在している。
だから彼の写真は、単に珍しい自然だとか、
彼の表現だとかいうのではなく、
写真と、それを見る人が出会うことによって何かがクリエイトされる、
そういう共同作業的な性質を持っていて、
だから彼の作品を見る人が生き続けることで、彼も生き続けるのだ、
ともおっしゃっていました。

 
星野道夫は、死後10年経ちますが、
人気は一向に衰えることなく、
ますます世界的に有名になっていっています。
それは何故なのか。
龍村さんの話から、理由の断片を感じることができました。

 
 
山口智子さんについてはこちらをご覧くださいw

 
 
ボブ・サムによるストーリーテリングは、
すごい迫力でした。
ボブ・サムは、クリンギット族のシャーマンです。
一族の神話を今も受け継ぐ語り部でもあり、
星野道夫とは親友でもあります。

そもそも、今回の「星野道夫メモリアルプロジェクト」は、
ボブ・サムが、アラスカに星野道夫のトーテムポールを建てたいと、
そのための資金集めとして企画されたイベントです。

トーテムポールを建てるというのは、
インディアンである彼らにとって、
最大の敬意と友情の証なのです。

Don't be afraid to talk about the spirit.(魂を語ることを恐るるなかれ)」
という言葉から始まり、彼は、
How we got a Spirit(我々は如何にして魂を得たか)」
という神話を、語ってくれました。

彼の、太く深い声が、朗々と場内に響き渡ります。
不思議な空間が作り出されます。
なんというか、これが語り部の力なのか、と思いました。
とても心地よいひと時でした。

 
ボブ・サムは、最後に、こんなことを語ってくれました。

「星野道夫が最後に追い求めていたのは、
ワタリガラスの神話だった。

ワタリガラスの神話は、
日本にも、アラスカにもある。
他にも、この鳥の伝説を持つ民族が、世界中に存在する。

私は、アラスカの先祖は、
日本から渡ってきたのではないかと感じている。
ワタリガラスの伝説を持つ民族は、
みな、祖先を同じくするのではないかと考えている。

星野道夫は、日本とアラスカを結びたいと考えていた。
今回のトーテムポールの建設によって、
様々なことがらが明るみに出て、
そして彼の願いはかなえられるだろう。それを望む。」

10年も前に死んだ友のことを、
なお一層強く想い、彼の為に大事業を起こす。
ネイティブ・ピープルの世界観/時間観を垣間見た思いがしました。
3日前のニュースはもう古いとか言っているネットとは、全く違いますね……

 
 
写真家、星野道夫。
単なる自然写真家に収まりきれない、
とても大きな人だったんだなあ、と思います。

彼は、一貫して、
「目に見えないものに価値を置くことができる世界」
に強く惹かれ続けてきました。

自然写真家として圧倒的な現実を見据えながら、
しかし例えば極寒のアラスカでのテントの中で、

一万光年の星野きらめきが問いかけてくる宇宙の深さ、人間が遠い昔から祈り続けてきた彼岸という世界、どんな未来へ向かい、何の目的を背負わされているのかという人間の存在の意味店……そのひとつひとつが、どこかでつながっているような気がした。
けれども、人間がもし本当に知りたいことを知ってしまったら、私たちは生きてゆく力を得るのだろうか、それとも失ってゆくのだろうか。そのことを知ろうとする想いが人間を支えながら、それが知り得ないことで私たちは生かされているのではないだろうか。

「森と氷河と鯨 -ワタリガラスの伝説を求めて-」より

ということを考え続けているような人でした。

 
池澤夏樹が本イベントのパンフレットの中で、
「今の世界の人々が最も必要としているのは、
本来の正しき自然観の回復である」
と述べているのが、とても心に残りました。

ここでいう「自然」は、外部の場合もあるし、
また自らの内部の場合もあると思います。
自らの内部に向かう場合は、
身体という意味も、または精神性という意味もあると思います。

いずれにしろ、なんだか僕たちが、
自然から遠く離れてしまったような気がしていて、
それが漠然とした不安を生んでいる、
そう感じる人が増えてきているのだとすると、
星野道夫の写真と文章
は、
そんな不安を感じている人々に、
強く受け入れられているのだと思います。

 
そんな星野道夫ですが、
残念ながら本イベントは終わってしまいましたが、
14日まで銀座松屋、それ以降は大坂と福島で、
星のような物語
という写真展をやっているので、
興味がある方は見に行かれてはいかがでしょうか?

アラスカの写真だから涼しげだし。

 
 
星野道夫 アラスカ 星のような物語 感受編 春~初夏
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星野道夫 アラスカ 星のような物語 思索編 夏~秋
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星野道夫 アラスカ 星のような物語 希望編 晩秋~冬、そして再び春
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