連休中に読むのにピッタリ『時を超えた創造の原則』


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実践的じゃないけど、自分に新しい豊かさを与えてくれるような本を読んだりするのに、この5連休って最適だと思うんですよね。

もちろん視覚マーケティング実践講座もすばらしいのでオススメしますがwこれも、とてもいい本です。題名から想像する100倍は深いです。

 
パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則
江渡 浩一郎 (著)

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この本は、システム系の方にはお馴染みの、

  • パターン(デザインパターン)
  • XP(エクストリーム・プログラミング)
  • Wiki

が、実は同じネタ元から出てきた兄弟で、しかもそのネタ元がコンピューター業界じゃなくて建築業界だ、ということを順を追って解説している「読み物」です。
とても文章が平易なので、素人でもスラスラ読めます。そういう意味では専門書ではありません。

さて、その「ネタ元」の名前はクリストファー・アレグザンダー。細部ははしょりますが、彼は従来の「建築家が最終的に設計内容を決めて、その後は設計図に従って作っていく」という建築手法ではなく、まるで長い営みの中で美しい農村ができていくように、利用者と建築家が一緒になって、相談しあいながら徐々に建物を組み上げていく、という概念を提唱した人です。

なお彼は、僕らにとっては、この

20040516

IT業界におけるブランコの比喩」の元ネタとしても有名です(彼が思いついたジョークではないが、これは元々建築業界のジョーク。アレクサンダーが『オレゴン大学の実験』という自著で紹介した)。

アレクサンダーの提唱した概念は、あまりにも古くからある「建築業界」では受け入れられなかったけど、まだ真新しくて若々しい「ソフトウェア業界」に受け継がれ、ベックとカニンガムが「パターン」を生み出し、それが一方でXPに、もう一方でWikiに派生していったのだとか。

僕はプログラミングとか全然判りませんが……
この本を読んで、妙にワクワクしました。

たった1つのアイディアが、ジャンルの垣根を越えて、色々な人の想像力を刺激しながら、どんどん枝分かれして、進化し、広がっていく。
社会に出るとなかなか味わえない学際的な、知の冒険的なダイナミズムを感じます。

また、この本のサブタイトルである「時を越えた創造の原則」は、もしかするとそれが今まさに変わろうとしつつある、ということなんじゃないかとも思いました。「思った」というか、ピンと閃いたというか、予感がしたというか。不思議な感覚です。

ソフトウェアという、人類の歴史で最も若いグループに属するモノ作りジャンルの中で、全く新しい原理原則が生まれつつあるのかもしれません。
たぶんそれはアレグザンダーの言葉でいう「無名の質」と関連するもので、このネットの世界ではそれが「集合知」とか「グランズウェル」という言葉で生まれ変わろうとしているような気が…
それもダイナミックでワクワクしますね。

この本を読んだ後だと、自分がいつも身を浸しているIT業界が、ちょっといつもと違ったものに見えてくると思います。
ただ、1つだけ難を言うとすると……


 
 
 
Patternwikixp2009091601

 
 
 
これ、タイトルとサブタイトルが逆の方が良かったんじゃないですかね。
題名がド渋でもったいないです。最近は書籍もブログ記事も、釣りギリギリなタイトルが多いというのに、質実剛健すぎます。

まあ、多くの予見をはらんだ名著には、このくらいの地味なタイトルがちょうどバランスがとれていいのかもしれませんが。

 
 
パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則
江渡 浩一郎 (著)

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