サンタクロースと、10万人の美女の弟子


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 近年は、クリスマス・イブのプレゼントを、サンタクロースではなく、「クリストキント」が配るパターンが増えているらしい。
 クリストキントは、サンタクロースの弟子であり、かつ、クリスマス・イブに良い子たちにプレゼントを配る手伝いをする、サンタクロースの手足である。全員が美女で、サンタクロースの格好をしていて、その数は10万人とも言われている。

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(写真はあくまでイメージです。星のドラゴンクエストAMYGCF3769)

 サンタの伝説は近年ますます多くの国々で愛されるようになってしまったため、とっくにサンタクロースひとりのキャパをオーバーしているのだ。去年の某小説にも書いてあったとおり、プレゼント配布対象を良い子だけに絞ったとしても、概算で一千万人にもなるのだから。

 そこで、クリストキントの登場である。
 彼女たちは普段はファッションモデルや女優や秘書や広報や営業やレイヤーなどの仕事をそつなくこなしているが、毎年この時期になるとフィンランドの某地に集まり、その年にサンタクロースが立案したプレゼント選定/配布戦略に基づき(やっかいなことに、戦略はサンタクロースのきまぐれで、毎年大幅に変わる)、地域ごとに担当を決め、当日の業務フローを作る。

 そして、クリスマス・イブ当日。
 人里から遠く離れた谷間の平原に、10万人のサンタ美女が、一糸乱れず整列している。
 その姿は圧巻の一言に尽きる。映画か何かの撮影シーンのようだ。

 ときの声が上がる。

「適正なコストで! 必要なものを! 必要なだけ! 必要な場所に! 必要なタイミングで! 正確に!」

 この叫びを合図に、クリストキントたちは、荷物置き場に走り、自分の担当のおもちゃ袋を担ぎ、ハンマーの形をした「ウコンバサラ」という小さなペンダントを首に下げる。そして自機(トナカイのついたソリ)に乗り込み、大空へと飛び立つ。

 クリストキントとそのソリは、光の反射を人工的に操作し、電波音波を撹乱し、必要であればダークマターすらまとって、人に見つからないように注意しながら、世界の空を飛び回り、良い子たちの家の側に乗りつけ、壁でも窓でもなんでもすりぬけて、リビングなりベッドなり「見つかりやすく、置きやすい」場所にプレゼントを置いて、また家を出てソリに乗り込み大空へと羽ばたく。全ての動作は極めて俊敏に行われ、一瞬の迷いもない。

 もし、うっかり家の人に見つかってしまったら?
 たとえば……たまたま夜尿に起きだしたお父さんと鉢合わせてしまった場合、まずクリストキントは、天使のような笑顔でニッコリと微笑む。なんならウインクなどもする。
 そして、相手がとつぜんの眼福であっけにとられた一瞬をついて、ペンダントを首からひきちぎり、思いっきり振る!
 すると脳に直接響くような強烈な雷光が発するので、そのスキに壁をくぐり抜け、外に出る。相手は、夢か何か見たのかといぶかしがるが、ペンダント型ハンマー「ウコンバサラ」の発する雷光には、記憶を消し去る能力もあるので、一晩も寝れば忘れてしまう。

 かくして世界の秘密は保たれる。
 今夜も、世界中の空を、「白ひげを蓄えたおじいさん」サンタクロースと、彼の命を受けた「10万人の美女」クリストキントたちが駆け巡るのだろう。

 ……誰ですか? サンタクロースよりも弟子の方に来て欲しいなどと考えている人は?

<終わり>

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p.s.2.小鳥ピヨピヨのクリスマス記事一覧

いま改めて漁ってみたら、2003年から毎年欠かさずイブ辺りにクリスマスネタやってるんですね。継続は力なり……にはなってないけど、並べると壮観です。
近年はショートショートを上げることが多いですね。

●2014 [短編] サンタクロースを喜べない風魔ナナ
●2013 [短編] サンタを殺っちゃった!
●2012 【スタバ伝説】男子大学生の、こだわりのクリスマス
●2012 【SSネタ】使徒(サンタ)襲来!
●2011 [短編] ワクワクさんの息子
●2010 女子高生の非クリスマス
●2009 ヒューマンビートボクサーdaichiくんによるクリスマス・メドレー&インタビュー
●2008 間違って手をつなぐ
●2007 クリスマスに予定と違う一生の思い出ができたカップル
●2006 島本和彦:「サンタになれ!」
●2005 星飛雄馬のクリスマス
●2005 一番印象に残っている、クリスマスのトラウマ
●2004 誰も見たことがないような美しいクリスマスツリーの木を手に入れる秘訣」
●2003 クリスマスイブのオリオン座

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