子どもに「実践的な」ダンスを教えて気づいたことまとめ


このエントリーをはてなブックマークに追加

ここからちょっと広告です。

広告は以上です。

幼稚園、小学校、中学校などでダンスを教える羽目に陥った先生の皆様方へのヒントが入っているかもしれないので、参考になさってみてください。

先日、お試しで、全2回で、キッズ向けのダンス教室を開きました。主に幼稚園児。上は小学校3年生くらいまで。
僕は昔、社会人向けのダンスサークルやフィットネスクラブで10年間くらい教えていたので、教える基礎自体はあると思うのですが、やはり大人と子どもは違いますね。
以下、気づいたことをメモします。

 
● 何を狙ったか

小学校からダンスの授業があるようなので、まずは文部科学省のハンドブックを見ました。

読む前は「どうせお役所の作ったものだから」とかタカをくくっていたのですが、どうしてどうして、とても本質的で重要なエッセンスがまとめられていて、素晴らしい資料でした。

特に以下の箇所には「わかってくれていたんだ!」と、感心しました。

Dance20160311
小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブックより

そう、僕が子どもたちに教えたいのは、「振り付けがなくてもダンスはできる」ということなのですよね。

特に最近は、振り付けつきのOPやEDがあるテレビ番組が多いので、「ダンス=振り付け」と思われちゃうんじゃないかと心配で。

これからの若い人は、海外に行く機会が増えるでしょう。
海外の人たちは、本当にダンスが大好きです。パーティで、家で、ストリートで、クラブで、ライブやフェスで、ダンスを普通に楽しみます。学校でもダンスパーティが開催されたりします。
そういう時には、振り付けのあるダンスはあまりやりません。とはいえ、踊らずにジッとしていてもノリが悪そうに見えるし、単に暴れているようなダンスでも格好悪いです。
こういったシーンで使うダンスの技術は、何種類かのリズムの取り方、自分の身の丈にあったステップやムーブ、そういうものを身体に染み込ませて、自然に出てくるものになります。
小さいころからパーティ漬けだと、周りの大人の動きから、自然と身につくのかもしれませんが、日本はそうではないですからね。ちょっと学んだ方が効率良いです。

と、いうわけで、いろいろ検討した結果、人生で実践的に使えるダンスを教えようと考えました。そして、「やり方はなんでもいいので、リズムに合わせて、自由に楽しく踊れるようになろう」というコンセプトでダンス教室をやることにしました。

 
● レッスンの流れは、その場の空気に合わせたほうがいい

最初、相当準備していったんですよね。
「10分ごとに、レッスンと動画見せるのを交互にやれば飽きないのではないか」と仮説を立てて、最近話題のダンサー動画や、子どもが踊っている動画や、レッスン用の曲を集めて、レッスン時にそれを見せようとしました。

しかし、いざレッスンがはじまってみると……

子どもって、ちょっとした刺激にすぐ反応しちゃいます。
借りた部屋にホワイトボードがあればお絵かき大会になるし、動画を見せるときに使ったiPad Proがめずらしければ、動画よりiPadの方が気になって仕方がなくなり、YouTubeの関連動画の方に完全にロックオンされたり。

だから、全然予定通りに進まない。

でも、予定に合わせて、子どもをこちらの意図に従わせようとすると、そもそものコンセプトだった「自由に楽しく」が損なわれてしまう。

だから、早々に諦めて、

1. 最初のアクションは先生(=僕)からはじめる
2. それ以降は、その場のアドリブで決める

という方法に切り替えました。
具体的には、例えば、こんな感じです。

最初、鏡を向いて「音に合わせてジャンプだよー」とジャンプする

「次に、右左に身体を振ってジャンプだよー」とする

ダレてきた子がいたので、「じゃあ次はけんけんぱするよー」とする

ダレてきた子がいたので、「じゃあ曲変えようかー」とする

曲をようかい体操にしてみたら「ようかい体操したい!」と言い出す子が出てきた

アンケートをとる

ようかい体操が勝ったので、最初予定していたリズムとりのレッスンは中止、ようかい体操に切り替える

でも「ようかい体操は知ってるからいやだー」という子たちがいたので、その子たちにはリズムとりのレッスン(ここで2つにグループが分かれてる)

2つのグループを行ったり来たり

ひとり、年齢が上の子がいて、輪に入りづらそうだったので、その子にだけブレイキングを教える

数人、ホワイトボードでお絵かきをはじめた子がいて、ママたちが「ほら踊ってらっしゃい」と叱っていたので、「いや、そのままお絵かきでいいですよ。上手ねー何描いたのー?」とか聞く

結局4グループに分かれました(最後にまたひとつにまとまったのですが)。
マルチタスクすぎて大変そうに見えますが、その場の空気に柔軟に自分を合わせてるだけなので、しんどくはないです。アドリブで踊るのと一緒です。そもそも僕はアドリブや即興が得意なので、むしろやりやすかったです。

恐らく「来月イベントに出るから振り付け教えなくちゃ」みたいな場合でも、子どもにダンスを教えるときは、以下の4つが大事なのかなということを学びました。

・ 笑顔で優しく!
・ 先生も一緒に楽しんでダンスする(汗だく)
・ 言うことを聞かず別のことやってても、許す。むしろそのクリエイティブを褒める(するとそのうちレッスンに戻ってくる)
・ ひとりひとりをちゃんと見る時間も設ける
・「できていないところ」じゃなくて「できているところ」を教えてあげる

 
● 集中力は15分くらい

だいたいレッスンは、15分ごとに休みを入れたほうがいいです。疲れはしないけど、集中力が続かないから。

 
● 曲が難しい

どういう曲を流すかは、すごく難しくて、今回はうまく正解を見つけられませんでした。

・有名アニメ曲のリミックス→反応薄い
・ガチの名曲ダンスミュージック→反応薄い
・最近の流行りのEDMやR&B→反応薄い
・普通にアニメやテレビ番組やアイドルの曲→その曲の振付(最近のアニメの曲は振り付けついてることが多い)をはじめちゃう

でも、それなりに本格的なスピーカーで、それなりに本格的な低音を聴いたこと自体は、楽しかったようです。ちなみに今回のレッスンで一番子どもたちが踊ったのは、「Strings Of Life(Danny Krivit Re Edit)でした。やはりクラシックな名曲にはパワーがありますね!

子供向けのダンス・ミュージック集、オススメがありましたら、ぜひ教えてください。

 
● 無茶苦茶になるのを歓迎する

レッスンには、必ずそのときの狙いや教えたいことがあります。今回の僕の場合だと「世界のストリートダンスシーンは大きく変化しているんだよ」とか「ストリートダンスってこんな風に踊るんだよ」とか「大事なのは振り付けじゃなくてリズムをとることだよ」とか。

でも……ファーストプライオリティは、「自由に踊る楽しみ」を感じてもらうこと。

だから場の空気に合わせてどんどんアドリブでやることを変えていきました。途中で鬼ごっこになったり、お絵かき大会になったり、いろんな激しい脱線をしました。

最初教えようとしていたことの1/10くらいしかできなかったのですが、結果としては、帰りに公園でみんなで踊ったりしていたので、「自由に楽しく」はクリアできたんじゃないかと思います。

 
● 必殺技「ママ抱っこ」

第二回では、その場でたまたま思いついて、振り付けの最後に「走って行ってママに抱っこ」を加えました。
これが非常に効果があったようでして。なんだろう、やっぱママってすごいですね。

そういえば第一回も、最初は、

1. リズムとりを教える
2. ママと向かい合ってそれをやる

をしていたのでした。子どもたち、楽しそうでした。

ママの運動にもなるし、このやり方はもうちょっと掘り下げる価値がありそうです。

 
● どのジャンルのダンスを教えるか

今、世界のストリートダンスは、大枠で見るとDUBSTEP/New Styleに移行しており、ステージ上でアーティストが踊るダンスにも、それがどんどん反映されてきています。
10歳くらいのダンスもそうです。有名どころだと以下の2人とか。


Phoenix Lil'Mini


Adilyn Malcolm

でも、DUBSTEPだかNew Styleだか、呼び方はいろいろあるけど、このタイプのダンスは、いろんな細かい技術を混ぜあわせて自分のノリを作り出す(ジャズのセッションのようですね)ので、初心者には超不向きというか、どうやって教えたらいいのか検討がつきません。

では、何を教えるか?

まあ、子どもたちから見ると、どんなジャンルの踊りでも構わないと思うのですが、ただ、「ダンス」を名乗るからには、アニメの曲の振り付けを真似るだけだけじゃなくて、「リズムをとることそのものを楽しむ」ことがわかるものを教えたいと考えました。
あと、飽きる前に達成感を感じてもらうことも重視しました。

考えたあげく……

僕が子どもに教えるダンスとしてベストだと思うのは、「ハウス」です。理由は以下の3つ。

1. 比較的簡単
ヒップホップやロッキングほど「形」にこだわらないので、足のステップを覚えれば、一応できる。ブレイクダンスみたいな基礎筋肉も不要。

2.いろんなシーン、いろんな曲に柔軟に対応できる
例えばホームパーティとか、野外フェスとか、いろんなシーンで使える。そもそも欧米で、全然ダンスなんて習ったことなく自由に楽しくパーティで踊っている人の動きは、「ハウスのステップを踏んでいる」ように見えることが多い。

3.子どもの知ってる動きを応用できる
例えば「けんけんぱ」と「ボックス」の足運びを、リズムを一定じゃなく、タンタンタタタンとかに変えるだけで、ほらハウスダンスのできあがり! 子どもが知ってる動きの延長線上ではじめられる。

ハウスというダンスシーンそのものは、今は衰えが目立つかもしれませんが、ハウス・ダンスの動きそのものは、(例えば今だと)世界中を席巻するEDMのパーティでも、ちょっとしたダンスパーティみたいなところでも、ライブでも、十分実用に耐えます。

なによりハウスは、自然体です。ほとんどが「歩く」「走る」の応用編みたいな動きだから。
ランニングマンとかクラブとかウェーブとかトゥエル→ロックみたいな、いかも「ダンスでござい!」といった動きを教えるより、役に立つんじゃないかと。
ハウスのステップ3つくらい知ってれば、世界中のどこにいってもダンスで楽しめますが(あとサルサなどのペアダンスの基礎があると完璧)、ヒップホップのステップをいくつか知ってるだけじゃ、パーティでもフェスでもクラブでも楽しく踊れないんじゃないかな? あくまでも個人の意見ですが。

あ、別にEダンスアカデミーをdisってるわけじゃないですよ? あれも素晴らしいと思います。特にラインダンスやらせるところは感動しています。輪から出て自分の踊りを見せる「勇気」とか「興奮」って、すごく大事だと思うので。

-----

以上です。僕も久しぶりに踊れたし、子どもたちと遊べたし、下調べの中でいろんな新しい知識も得たし、ママ友の人たちとも(たぶん)少しは仲良くなれたし、とても楽しい企画でした。

また5月くらいから、月1回くらいでできるといいなとは思います。
ただ、こういうのって、継続がものすごく難しい、例えば「場所取りが面倒くさい」とか「人が来なくなったときのモチベーションの維持」とかが大変なのは重々承知です。

だから、気軽に、できる範囲で。
結局は教える側も「自由に楽しく」することが大事です。

 

Ads by Google

コメント

コメントは、Twitterやはてブに、以下のボタンから本記事のアドレスつきでツイート/ブクマしていただくと、上にあるzenbackのウィジェットに反映されます。
  このエントリーをはてなブックマークに追加
または同ウィジェット内のFacebookコメントでお願いしますー。

Facebookのシェアは……されても誰だかわからないのですが、シェア自体は嬉しいので、下にボタンを置かせていただきます。よろしくお願いします。