映画『X-ミッション』に意外と出てくる「日本」


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「10年に1本の、ノーCGアクション映画!」と評される『X-ミッション』を観させていただきました。

もうね、最初っから最後までずっとクライマックス! みたいな迫力でしたよ。
アクションシーンには一切CGを使ってないんですって。エクストリーム・スポーツの極北みたいのがたくさんでてきます。例えば、

● クッソ細い尖った尾根をバイクで走る
● 高層ビル級のデカい波をサーフィンする
● ムササビみたいなスーツで渓谷を飛び回る(ウィングスーツっていうんですってね)
● 90度以上ある崖を登る
● 滝から落ちる

などなど、狂ってる! としかいいようのないアクションを、本物のトップアスリートたちが披露します(記事末尾にアスリート一覧書いておきます)。

というわけで、全く頭を使わず、ただただ「すげーすげー」といいながら、エクストリーム・スポーツという、大自然と肉体の極限の両方を味わうスポーツを擬似体験できる映画なのですが、観終わった後に僕の中に残ったのは、アクションよりも、ストーリーというか、さらにその背後にある哲学でした。

ここからは、少し内容に関わるネタバレがあるので、気になる方は読まないでください。あ、そうだ。ところでこの映画は、キアヌ・リーヴス主演の『ハート・ブルー』が元になっています。
この映画の主役はエクストリーム・スポーツのド迫力なので、ここに書いた程度のネタバレを読んだとしても、楽しみは全く変わらないと思いますが(むしろ読んどいた方が、余計な戸惑いなく純粋にアクションを楽しめるかも)。

 
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映画では「オザキ8」というキーワードが出てきます。
オザキ8とは、オザキという環境保護活動家兼多種競技アスリートが、「地球の全てのエネルギーと交流する手段」として編み出した8つの挑戦。その全てはエクストリーム・スポーツの極限に挑むものであり、かつ、それを1つずつ達成したら、その度に大自然に対して「お返し」をすることになっています。そのお返しは大体において企業に損害を与えるもので、世間から見ると犯罪に見えます(鉱山を破壊するなど)。

主人公のFBI捜査官は、犯人を捉えようと、犯人グループの中に土竜(潜入捜査官)として入っていきます。

一方、犯人グループは「オザキ8」を実践する人たちです。つまり地球や自然を愛し、自分自身すらそこに捧げようとする求道者とも言えます。
だから自分たちを犯罪者だとは全く思っていない。彼らが行っているのは個人的な探求の旅であり、「お返し」は、自然や地球を守るアクションなのです。

だから、映画は最初から最後まで、モヤモヤとした疑問を抱えて進みます。ストーリーが進めば進むほど、犯人グループが格好良く見えてくるのです。自分の利益は追わず、身体を張って世界と退治する犯人は、カリスマ的な魅力を放ち、どう見ても主人公に見えます。
しかし、FBIが悪者(または資本主義の手先、または頭カチコチのお役人)にも見えません。彼らは彼らの倫理に従って、彼らの仕事をしているのです。

じゃあ、この映画における絶対悪は資本主義?
いや、でも、彼らの行うエクストリーム・スポーツを実現するには、例えばモトクロスバイクひとつとっても、資本主義的な社会の発展が不可欠だったはずです。

結局、話としてはなんだかわからないまま、終わります。でもメッセージはハッキリしています。それは「今のモノ至上主義、資本主義を見なおそう」というものです。

そして、こういうメッセージが、「オザキ」という日本人名をキーワードとして出てきたことに、僕は考えさせられました。
日本が特別な国だというつもりはありません。他の国と同じく、いいところもあれば悪いところもある国でしょう。そして日本に住んでいると「日本はもうダメだ。あとはどこまでソフトランディングできるかだけだ」という話ばかりが聞こえてきます。
しかし、日本人が日本の内側から見た日本と、外に住んでいる人が見る日本は、良い面/悪い面共に、大きなズレがあるのかもしれません。僕が外国にいたのはものすごく昔の話なので、21世紀の今、日本に何が期待されているのか、日本にどんな可能性があるのか、なんとなくわからないままです。ネットの情報や本だけじゃ肌感覚でピンと来ませんしね。

そういえば、大波のそばで行われる超セレブくさい船上パーティや、山の奥深くの山荘で行われるド派手なパーティで、DJとして、スティーブ・アオキ(「BENIHANA」のロッキー青木の息子で、年間約29億円も稼ぐトップDJ)も出演していましたね。この映画は日本なんて全然関係なさそうなのに、意外なところでポツリポツリと日本が出てきていて、それがアンカーのように心に残りました。

以上です。大画面で見て絶対損はないので、もし時間があったらぜひ「体験」してみてください(もはや「観る」ではない)!

 

 
【主な協力アスリート】
● BOB BURNQUIST(ボブ・バーンクイスト)スケートボード
● XAVIER DE LE RUE(グザヴィエ・ドゥ・ラ・リュー)スノーボード
● JEB CORLISS(ジェブ・コーリス)ウイングスーツ
● JON DEVORE(ジョン・デボア)ウイングスーツ
● JHONATHAN FLOREZ(ジョナサン・フロレス)ウイングスーツ
● LAIRD HAMILTON(レイアード・ハミルトン)サーフィン
● DYLAN LONGBOTTOM(ディラン・ロングボトム)サーフィン
● IOURI PODLADTCHIKOV(ユーリ・ポドラドチコフ)スノーボード
● CHRIS SHARMA(クリス・シャーマ)フリー・クライミング
● LAURENCE "LAURIE" TOWNER(ローレンス・ローリー・タウナー)サーフィン
● IAN WALSH(イアン・ウォルシュ)サーフィン

ローレンス・ローリー・タウナーの紹介文が興味深かったので抜粋。まるでこの映画のキャラクターみたい:


2006年に十代で鮮烈なデビューを飾って以来、ビラボンで成功を収め、最も注目を浴びるオーストラリアのサーファー。スポンサーなしで活躍し、過去5年間で、サーフィンの民間伝承の一部になったハワイの冬の波/タスマニアのシップスタン・ブラフ/タヒチのチョーポーの巨大波といった見事な波に乗り、勝ち進んできた。
ニューサウスウェールズ州にある沿岸の小さな村アングーリー出身。そこは“神の恵み豊かな国”で、誰もがサーフィンかフィッシングをし、複雑アン近代生活を分別よく避けて暮らす場所である。以前は競技会に出ていたが、今は出場していない。自分の時間を、家と世界で最も厳しい岩礁の隠れ場とを往復して過ごしている。

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