フリースタイルラップをやる羽目に陥った話


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先週、アプリのプロモ用にラップ動画を公開し、自ら激しく傷つくとともに、関係者に黒歴史のダークマターパワーを思い知らせた僕ですが、実はその前に、もっと衝撃的な体験をしていまして。

諸事情が積み重なって、フリースタイルのラップに出る羽目におちいったのです。

Rapjinro20160804

言っときますが僕はラップ素人です。今までのラップ経験は2回。しかも2回とも結婚式2次回の余興。

それなのに、ラップ、しかもフリースタイルをやるって!
フリースタイルってあれでしょ? その場で韻とか考えながらラップするんでしょ?
ムリ。できないに決まってんじゃん。と、最初は当たり前のように断っていたのですが、誘ってくれた白坂翔くん「大丈夫ですよ」「まあまずは来て、気が向いたら参加するでもいいですよ」みたいなトークに乗せられ、フワフワと催眠術にかかったかのように、なんとなく参加することになったのです。

参加するのは「ラッパー人狼」という、人狼ってゲームをラップでやるという企画の、実験用イベント。
人狼は互いにしゃべりながら進行していくゲームですが、そのしゃべりを全部ラップでやらなくてはいけません。
無茶ぶり企画ですよね。あまりに無茶なので可能なのかどうかすらわかりません。今思うと、その無茶さが、僕から想像力を奪っていたのかもしれません。

さて当日。
のっけから想定外のことが起こります。
そもそも僕は、イベントのイメージを、こんな風に考えていたんです。

「小部屋みたいなところで、ラッパーや素人が5〜6人集まって、ラップで人狼する。iPhoneか何かで適当に撮影する。まあみんな初めての経験だし、戸惑いながらやるだろうから、なごやかに楽しめるだろう。なんとかなるんじゃないかな」

もちろん、フリースタイルの事前準備なんてしていません。何の準備していいのかわからないし。

緊張感のない状態で、会場であるJELLY JELLY CAFEに向かいます。
カフェのドアを開けました。

ところが。
そこには。

お洒落気なストリート系男女20人くらいのギャラリーが!
照明が照らされ、本気の撮影体制が!
まるでステージのように人狼テーブルが!
座っているのは、本気のラッパーばかり!

おいおい全然イメージと違うじゃないか!
この人たちに混じって、僕は今からフリースタイルやるわけ!?

ムリ!!!!!!!

心の底からムリだと思いました。自分がラップしている情景が、全く頭に浮かびません。
僕にできることはただひとつ。「当たりませんように」と祈ることだけした。

人狼がはじまってしまいます。

ラッパーの人が、いきなりラップで、自分の考えを述べ始めます。
目の前で即席でどんどんラップが出来上がっていく。感動的です。

返す人も当然ラップ。人狼のことを知らなくても、質問すらラップ。
すごく「成り立っている」。

そう、成り立っていたんです。ラッパー人狼が。
人狼みたいにしゃべりだけのゲームが、フリースタイルだけで、普通にできているんです。

ラッパーってすごい。素直に感心しました。
僕もダンスはフリースタイルでできますが、ラップはまた全然違うじゃないですか。文意通じてないといけないし。

でも、感心してばかりもいられません。
いつ自分に火の粉が降りかかってくるかわからないのです。

完全に気配を消し、空気と同化しようとします。
「当たるな、当たるな」と念じます。

しかし。

とうとう、そのときはやってきました。
「あの人、さっきから全然しゃべってねーなー。怪しいんじゃね?」と、疑惑を向けられたのです。

ラッパーたちが、いっせいに僕を見ます。
20人くらいのイケてる男女たちのギャラリーも、全員こちらを見ています。

もうダメです。

逃げられません。

でも全然できません。だって、今この瞬間まで、フリースタイルなんて一言もやったことがないんです。

無理。

でも僕の順番。

やんなきゃいけない。

こんなの久しぶりです。久しぶりに、脳が超高速回転しました。酩酊状態に陥り、身体中にアドレナリンがみなぎりました。

 
 
やるしかない!

 
 
僕は立ち上がりました。
もう逃げられない。
せめてしっかり声を出そう。

僕は大声で、ラップらしきものをはじめました。
何を言ったか、記憶がありません。とにかくリズムに合わせて、韻を踏んだかどうかわからないけど、8小節だか16小節だかを乗り切りました。

誰かがそばで、iPhoneで動画を撮っています。
でもそんなの気にしていられない。僕は今、清水の舞台から飛び降りてる真っ最中なのです。

終わりました。
全身から大量の汗が出ていました。
グッタリしました。生命力全部使いきった感じ。
とにかく座りました。

誰かが、拍手してくれました。
「良かったですよ!」と言ってくれた人がいました。

どうやら、最初の波は超えられたようでした。

でも、慣れたかというと、全然そんなことはなく。

相変わらず僕は空気と化してなるべく当たらないようにしながら、当たってしまったときは意を決してなんか無茶苦茶なことをしゃべってその場を乗り切り、気がついたらアッという間に3時間が経っていました。

結果としては、とても面白いコンテンツになったという実感がありました。
みんな、こんな企画が成立するとは思ってなかったので、互いに健闘を讃え合い、僕はお先にカフェを出ました。

帰り道、不思議と、身体を爽快感が包んでいるのに気づきました。
そして、フリースタイルの楽しさみたいなものを、少しだけつかんだ気がしました。

Black Mondayだから90年くらい?の頃から、僕の隣には常にアンダーグラウンド日本語ラップがいました。僕はダンスがメインだったので深くはかかわらなかったのですが、彼らが大変な苦労をしてシーンを盛り上げようとしているのは、よく知っていました。YouTheRockのNight Flightは面白かったなあ。
けど、どうしても「棒読み」「カッコ悪い」「何ワルぶってるの?」「J-POPの波に乗ったラップのほうが売れてる」みたいな感じで、シーンとしてはイマイチ盛り上がらないなあ、という感想を持っていました。特にフリースタイルは、そのハードルの高さから、僕も、やってみようという気にすらなりませんでした。

でも、細く長く、ずっとフリースタイルで遊んでいる人たちはいました。
若手も、常に途切れず参入してきていました。

僕は2005年ごろ、SSWSという、スポークンワーズ/ラップ/ポエトリーリーディングのイベントを手伝ったことがあります。
そこで僕は、フリースタイルのしゃべり系が、90年代の頃と比べても激しく進化していることに気づきました。

そしてテレビ番組『フリースタイル・ダンジョン』がはじまり、さらに進化していることを知りました。
進化しているってことは、ずっと続けてる人がいるってことです。

ちょっとみなさん、ここで想像してみてください。

自分が即興で人前でラップをやる……

すごく「無理!」って思いません?
フリースタイルの人たちは、何が魅力で、人前で即興でラップするなんていうハードルの高いことをやろうと思うんだろう?

僕はわかりませんでした。
でも、この夜に、たまたまフリースタイルを体験したことで、その理由の一端が分かった気がしました。

単純に、気持ちいいのです。
大声で、言いたいことを言うのが、気持ちいいのです。

カラオケや演劇とは違った興奮が、そこにはあります。なんといっても歌詞やセリフを覚える必要はないのですから。出る言葉は全部自分の言葉なのですから。

それは大変に爽快感のあることで、だからフリースタイルって好調のときも低調のときも、ずっと続いてきたのかな、と、思いました。
まあ一晩の経験から感じただけの考えなので、間違っている可能性も大ですが。

こんな経験ができて、翔くんには大変感謝です。なかなか自分の意思では「フリースタイルのステージに立とう!」って思いませんものね。
他では味わえないような爽快感なので、また何か機会があれば、細く長く、試していきたいなと思います。

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さて。
そんなラッパー人狼、僕が出演したのはテストバージョンでしたが、本格的にラッパーを集めた第一回が、8月7日に、渋谷で行われます。詳細は以下のとおりです。

【ラッパー人狼】

日時
2016年8月7日(日)
開場 18:30
開演 19:00
終了 21:30

会場
Theatre CYBIRD(シアターサイバード)
東京都渋谷区猿楽町10-1マンサード代官山 1階
(代官山駅より徒歩4分・渋谷駅 新南口 徒歩9分)

料金
前売り2,500円

サイト
フリースタイルラップ×人狼ゲーム「ラッパー人狼」vol.01開催決定!

ラップで人狼する様は、見ているだけで楽しいですよ(素人は見てるだけのほうが楽しいかもw)。ご興味ある方はぜひ覗いてみてくださいー。僕も確率50%くらいで行きます。

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おっと。
僕がフリースタイルのラップやったとこ、観たい人もいますよね? たぶん。

じゃあまず、翔くんたちが編集した正式バージョンをば。

僕から見ると100%完全に黒歴史なのですが、編集が上手いので、綺麗な感じにまとまっています。

で、こっちが、僕の「生まれて初めてのフリースタイルラップ動画」。
一切の練習なし。声のコントロールもゼロ。何言うかの事前健闘もゼロ。ヒューズが完全に飛んでる状態。
動画も編集なし。生動画。

黒歴史具合がすごいです。まさに漆黒です。
僕は最初の2秒で「今は観れない!」と消してしまいました。
果たして観れる人はいるでしょうか……震えが止まらない。ものすごい破壊力です……

 

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