『TYPE-MOONの軌跡』読んだ感想


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最近FGOにハマっているので、同時並行で、源流もさかのぼっています。具体的にはTYPE-MOONのこれまでの作品群(Fate/stay nightとか)や、名作といわれるノベルゲーム(シュタゲとかひぐらしとか)ですね。

その一環で、これを読みました。

TYPE-MOONの軌跡』は、TYPE-MOONのはじまりから、FGOに至るまでをまとめた本です。奈須きのこさんや武内崇さんが、何を考え、何にチャレンジしてきたか、今まで発表されてきた作品にはどういう特徴があるか、といったことが書かれています。
以下、感想。

とても読みやすかったです。

この本は、TYPE-MOON愛に溢れています。
多くの人へのインタビューを元に、多角的な実態をできるだけ精密に再現しようとするのではなく、TYPE-MOONの挑戦の道のりを、作品単位で書きつづっています。また、作品の説明や解説も、データや出典に頼るというよりは、筆者の実感がこもった考察、レビューです。

僕は、TYPE-MOONの諸作品群の流れを知りたかった(具体的には、FGOを楽しむためには、どれはマストでどれは後回しにすればいいか知りたかった)ので、リファレンス的に大変参考になりました。

また、TYPE-MOONが、どこにどうこだわっているかもわかって、良かったです。ともすれば欠点に見えるところも、己の美学、こだわりとしてやっているのであれば何の問題もありません。全てのコンテンツがディズニーみたいにに万人受けを目指す必要など全くないのですから。

ただ、物足りなさもありました。

TYPE-MOONの凄みのひとつに、「日本の『作家と出版社』の間にあるドロドロから、最初から開放されている」点があります。

佐藤秀峰さんや赤松健さん、作家用エージェンシーなどが必死で改革しようとしている、作家搾取、作品搾取(と作家からは見える)な構造。この業界慣習が今も生き残っている背景には、「デビュー前から名前が売れるまでは、まずは出版社側の言うことを受け入れなくてはいけない」という考え方があるのだと思うのですが、TYPE-MOONは、「同人からメジャーに移行」「ノベルゲームからマルチメディアに展開」「サイトで公開といった自分たちでできることから出版」という方法を縦横無尽に駆使して、問題の搾取構造に一貫して取り込まれないスタイルを貫いています。
「昔ながらのやり方が嫌なら捨ててしまってもいい」ことを、TYPE-MOONという存在自体が証明してしまっている。そこが凄まじいと思うのです。

この、ほとんど社会実験といってもいいような現象が、何の荒波にも揉まれずここまで航海してこれたはずはないと思うのですよね。
資金的な危機をどう乗り越えたかとか、人間関係的な軋轢はどうだったかとか、どんな敵があらわれてどう関わっていったかといった、戦いの歴史もあるはずで、次回はぜひその辺にも切り込んでいって欲しい所存です。

ところで個人的には、「奈須きのこさんが菊地秀行の大ファンで大いに影響を受けていた」というところに、キュンキュンしました。
僕もそうだからです。

特に、具体例として、おそらく一番人気の「吸血鬼ハンターD」が出てくるのではなく、「エイリアンシリーズ」が出てくるところが最高でした。僕の最初の菊地秀行体験が、図書館の隅にあった『エイリアン魔獣境 下』だったんです。エイリアンシリーズの2作目、しかも下巻。たぶん半分も理解していなかったはずですが、しかし今でも、出てくるキャラクターたちや、セリフ、最後のどんでん返しのためのトンデモ案など、鮮明に覚えています。
奈須きのこさんと菊地秀行について語り合いたいです。ゆきちゃんとか秋せつらとか風の名はアムネジアについて、ダラダラと喋り続けたい……

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