管直人って、市川房枝の弟子だったんですね。
市川房枝。教科書でもお馴染みの、市民活動の第一人者です。女性の参政権獲得のために尽力し、占領軍から公職追放の通告を受け、一時はドン底まで落ちながら、晩年は参議院議員として、積極的に市民のために働いてきた、戦後史上の大偉人の一人です。
以下のURLに、彼女の活動についての要約があります。
http://homepage2.nifty.com/hi-rose/ijinden/5gatu/0515.htm
彼女は徹底した現実主義者で実践主義者。いや、現実的な理想主義者とでもいいましょうか……例えば、彼女の選挙は、常に驚くほどの低予算で行われていました。その毅然とした態度はサザエさんのマンガにもなっていたほどです。
予断ですが、市民活動総合情報誌「月間ボランティア」のWeb版に、「(市民)運動とは、事務(作業を武器として行うものである)」という市川さんの言葉が掲載されていました。僕とかがカバチタレとか読んで「事務手続きって強力な武器だなあ」とかぼんやりと思っていたことを、市川房枝は徹底的に、意識して実践していたんですね。
市川房枝は既に故人ですが、現在は市川房枝記念館が彼女の遺志を受け継ぎ、積極的に女性問題に関するNGO活動を行っているようです。
「ボーリング・フォー・コロンバイン」のマイケル・ムーアや、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンをはじめ、多くの社会派な人たちに影響を与え続けているノーム・チョムスキーは、かつて「日本に最も足りないもの」として、市民活動をあげていましたが、日本にもかつては、このようなカリスマ的なプロの市民活動家がいたのです。ただ、今彼女に匹敵するカリスマをあげるのは難しいですが……
で、管直人。彼は1974年に市川房枝の選挙を手伝い、彼女の薫陶を受け、政治活動に入っていったそうです。
管直人が市川房枝の選挙活動を手伝ったときの写真。激若っ!
確か、彼女の秘書もしていたのかな? 自民党の過半数を超える2世・3世議員とは気合が違います。
僕が彼を意識するようになったのは、彼が厚生大臣だったころの「薬害エイズ問題」でした。当時は強固な一枚岩に見えていたお役所の体質を逆に利用して、見事に厚生省の闇を暴きだしたのが、印象に残っています。その後省庁改革が実現されはじめたのは、あのとき管直人が最初の扉をこじ開けたおかげではないか、と僕は思っています。
そんな管直人も、今や最大野党の党首です。実践的な市民活動家として働いてきた市川房枝の弟子が、その後も野党を中心に政治活動を続け、少数の市民活動では実現し得なかったことを目指し、自民党に迫る勢いになりつつある……一貫した一本のストーリーに見えるのは、僕だけでしょうか?
今回は、僕は民主党に一票入れようと思います。みなさんはどこに投票しますか?