デパートにポストイットを買いに行きました。
文房具売り場を探してもポストイットが見つからなかったので、キャッシャーのおばちゃんに尋ねてみました。
僕:「すみませーん、ポストイットないですか?」
おばちゃん:「何それ!?」
え!? ポストイット知らないんですか?
いやでも、会社とかで働いてないと確かに判らないかも知れない……
……でも説明難しい……ちょっと動転して、僕は変な説明をしてしまいました。
僕:「あの……四角いやつ……」
そんな説明でわかるわけねーだろ! 思わず心の中でツッコミを入れましたが、その瞬間、おばちゃんは、こう返してきたのです。
おばちゃん:「ピンクとか黄色のやつ?」
僕はおばちゃんの目を見ました。おばちゃんは僕の目を見ました。そして脳内に電撃が走り、僕は確信しました。今僕が頭の中に描いている「ポストイット」と、今おばちゃんが頭の中に描いている「ポストイット」は、同じものだ、と。ごく僅かな情報しか交換していませんが、今僕たちは、確かに「ポストイット」について、互いに判り合えた、と。
まるでガンダムに出てくる「ニュータイプ」のように。
ユングによると、人間には「集合的無意識」というものがあるそうです。我々人類は皆、意識の奥底で繋がっていて、同じイメージや感覚を共有していて、その集合的無意識をトンネルとして、互いが互いにイメージや気持ちを共有したりできるとのこと(違うかな? ウロ覚えです)。
ぼくとおばちゃんは、集合的無意識を通して、互いに繋がったんですかね?
何だか、かなり微妙な気分です。どうしてララァみたいなのとじゃなく、キャッシャーのおばちゃんと判りあえちゃったんですかね?
僕のニュータイプとしての人生は、あまり愉快なものじゃなさそうです。