先日、今までの僕の固定観念を完璧に打ち崩すような、全く新しいラッパーに出会い、すごい笑いました。
だいたい、日本語ラップって、そのほとんどがつまらないんですよね。やたら自分のスキルを誇ったり、かと思うと妙にポジティブなメッセージを振りまいていたり。ラップの大事なところはリアルなところだと思うのですが、日本的なリアルをリリックに載せるラッパーって、ほとんど見たことないです。
でも、僕が先日、渋谷Plugの2周年イベントで見たラッパーは、まさに「日本的リアル」の体現者のようでした。
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そのラッパーは、本当に無名で、もう名前が思い出せません。背がまあまあ高くて、太ってて、メガネをかけて、小さい目で、低い鼻で……とにかく普通なんです。
で、下を向いてブツブツとラップしてる。ステージの上に立ってるのに、すごく気持ちが内側に向いているようでした。
ぶっちゃけ、暗い。そして弱そう。
そんな彼、2曲目の頭あたりに、以下のようなリリックをつぶやきました。
ねえ俺のメガネ知ってる?
俺のメガネ俺のメガネ
俺のメガネ
俺のメガネ
弱そう過ぎだよ!
「メガネどこにあるかわかんねぇのかよ!」「頭の上だよ!」そんなツッコミが会場中から聞こえてきそうです。
ラッパーたるもの、少しくらいはタフそうに振舞っても良さそうなものじゃないですか。なのにこの、のび太くん並のいじめられキャラっぷり。
彼はきっと等身大で生きてるんでしょうね。リアルです。最高でした。
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日本ラップ界は、今新たな段階に入ったようです。これからも生暖かく見守っていこうと思います。
そうそう、イベント自体も良かったですよ。「小鳥(a little bird)」でもたびたび紹介しているリズムタップダンサーの熊谷和徳や、日本語ラップの中では数少ない「リリックが面白い」Shing02が出てたんです。
ちなみに……最近「小鳥(a little bird)」のタイトルについている「JAY-Z MIX」というのは、イベントのときにShing02が言ったギャグです。すごい笑ったので、説明なしで「小鳥(a little bird)」にくっつけています。
テニスの王子様 キャラクターマキシシングル~眼鏡をはずす夜
忍足侑士(木内秀信)