中学時代、社会の先生が、1ヶ月に1度は言うことがありました。
それは、
「数字を3桁で区切る、例えば百万を『1,000,000』と書くのはおかしい」
というものでした。
彼によると、日本語の数字の区切りは、必ず4桁だそうです。
だから、4桁で区切ると判りやすい。
1,0000
なら一万だし、
1,0000,0000
なら一億。
1,0000,0000,0000
なら一兆です。超判りやすいですね。これなら、
10,0000,0000
なんて数字も、「ああ、十億でしょ」と、直感でわかります。
なのに外人に合わせて3桁で区切るものだから、
10,000,000
と急に言われたとき、
「えーっと、いちじゅうひゃくせん……」
と1桁目から数えて、「ああ一千万かぁ」とようやく判る、という事態に陥ってしまう、とのことです。
確かに正しいですね。僕ら日本人は、日本語にない概念で無理やり数字を3桁で区切って数字を表現するものだから、ときどき予算管理の表とかで、
単位:千円
みたいな「ええっ!?」という表現に出会ってしまうんですね。
でも、しょうがないんです。日本は敗戦したのですから……
-------------------
なんてことを、「直観でわかる数学」を読みながら、懐かしく思い出しました。
確かあの先生、学校の近くを流れている水の干上がった川に、水と魚を取り戻そうとかいって、運動してたんですよね。
千川っていう川なんですけど。
僕が中学生の頃は、もう水なんて一滴も流れてなくて、
「水なんか戻ってくるわけがない。いくら泣き喚いても水と彼女だけは戻ってこない」
みたいにしてちょっとバカにしてたんですけど、この前実家に帰ったついでにちょっと見てみたら、なんとものの見事に水が! そして魚が戻ってきてました。
偉い先生だったなあ。そういえば娘がスゥエーデン人と結婚するとか言って、悩んでたりもしたなあ。
もしかしたら小中高大と学校が大嫌いだった僕にも、恩師と呼べる人がいたのかもしれないですね。
大平先生、お元気ですか?
直観でわかる数学
畑村 洋太郎 (著)