青臭いかもしれないですが、たまには、こんなのもね。
我ら星の視点から見てみたら、どうかな?今この地上に届いている光は、
気が遠くなるほどの昔に我々が発したもの。
億単位の時を経て、ようやく人の目に入っていく。我ら星は、悠久の歳月そのもの。
そんな我らから見れば、
この世のほとんど全てのものが、
些細なことに見えても仕方がない。1人1人にとっては大事でも、
それは本当に小さな点のようなものだから、
アッという間に時の流れの中に呑み込まれ、
うねりの中に消えていく。キミが悩んでいることや苦しんでいること、
迷っていること、困っていること、
にっちもさっちもいかない状況、
圧倒的に不利な中で出さなくてはいけない答え、
悲しかったこと、思いが伝わらないこと、
悔しくて悔しくて仕方がないこと、
残念でいつまで経っても後悔すること、それら全てが、我らの視点では、本当に些細なこと。
だから、もしキミが、
迷って困って我らに相談をもちかけたとしても、
我らの答えは、いつも決まっていると思っていい。つまり、
「どっちでもいい」
全ては小さなことで、
アッという間に時のうねりの中に消えていくことで、
複雑系の要素の1つに過ぎないことで、だから、キミがどんな選択をしても別に構わない。
そんなことは、全体にとっては特に問題にはならない。
どうでもいいことだ。冷たいように聞こえる?
でも本当なんだ。
あまりにも小さな出来事だから、我ら星から見れば、
本当にどうでもいいことなんだ。でも逆に、そうだからこそアドバイスできることが、
1つある。どうでもいいことだから、
些細ないことだから、小さなことだから、
だから、キミが一番気持ちがいいことを、
幸せを感じることを、選んだらいい。つまり、自分に素直になってみたらいい。
どんなに間違っていたとしても、問題じゃない。
どんなに非効率だったとしても、問題じゃない。
どんなに世間体から外れてても、問題じゃない。
どんなに嘲りや誹りを受けても、問題じゃない。
どんなに敗北を意味していても、問題じゃない。
どんなに恥ずかしいと思っても、問題じゃない。時間すら含めた全体から見ると、
全ては些細でどうでもいいことだから、
自分が気持ちよさを感じることを、選んだらいい。もし自分が何が気持ちいいのか、
何が幸せなのか判らなかったら。とりあえず、今ある見栄や意地や偏見や強情や、
不安や恐怖や悔しさや悲しさや欲といった、
そういうものを無理やり無視して、ええいままよ、と、
時の大きな流れの中に、裸で飛び込んでみたらいい。
そうすれば何かが起こる。思いもよらなかった何かが。(いっそのこと、時には、
一番ありえない選択肢を選ぶってのはどう?
思いもよらなかったことが起きて、
キミは意外に感じつつ、
起きた出来事の中には、悪いこともあるけれど、
良いこともたくさんあって、
その内キミはそれに順応して、
新しい世界が開けるかもしれない)
キミが悩んだり困ったりしているのであれば、
どうか忘れないで欲しい。これからもずっと旅は続いていくものだし、
夜中に空を見上げれば、いつでも我らが見守っているし、
その我らは、キミの質問に対して、いつでも、
「どっちを選んでも別に大差ないから構わない」
と思っているということを。

五味 太郎 (著)