数ヶ月前の真冬の話なのですが……ライフラインが途切れると、マジでヤバいものですね。
ある日の夜中。風呂を沸かそうとしたときでした。
ガスが壊れて、湯沸かし器つかない!
風呂沸かせない!
夜中だし銭湯やってない!
しかたなく、水風呂に入りました。
あれは11月ごろでしたか、12月ごろでしたか。半端ない雨がバシャバシャと降っていた記憶があります。
修行のようなひと時が過ぎ、奥歯ガタガタ言わせながら水風呂から出て、ヒーターであったまろうと思ったら、
ヒーターもガス。
だからヒーターつきません。他の暖房器具ありません。
僕はタイガーマスクのエンディングみたいな寂しい気持ちになって、寒い部屋でガタガタと震えていました。
せめて暖かいものでも飲もうかと思いました。そしたら、
コンロもガス。
キッチンの湯沸しもガス。
お湯が作れず、冷たいものしか飲めません。仕方なくレモン水を一気飲みました。
さすがにちょっと笑ってしまいました。だって、あまりにも立て続けに、思い通り行かないんだもん。
自分がこんなにガスに頼っていたとは。今まで知識としては知っていても、肌感覚では判っていなかったようです。僕はこの夜、惨めさで打ちひしがれたまま、床につきました……
まさにガスパニック。
普段僕たちが当たり前のように享受しているもののうち多くは、いつ急に消えてしまってもおかしくない、幻のようなものなのですね。改めて新潟やスマトラ島地震の被害に、心が痛みます。
どんな環境でも逞しく生きていく、野性を持った人間でありたいものです。
男の行動学―父と息子の教科書
斉藤 令介 (著)