さっき電車乗ってて、ホッと心が暖かくなるような光景に出会いました。
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僕の隣に、40歳ぐらいのサラリーマンが座っていました。
銀縁ち眼鏡をかけてて、ちょっと禿げはじめてる。
クールビズなんて聞いたことがないといった風情で、
バッチリ灰色のスーツに身を包み、
世の中に面白いことなんて何もないと言わんばかりに、
ムッツリとした表情で、東スポを読んでいます。
その向かいには、似たようなサラリーマンが座っています。
歳は30台前半くらい。体育会系の小デブで単髪。
暑そうな紺色のスーツを着て、
いったい何が気に食わないのか何だか怒ったような表情で、
夕刊フジを読んでいます。
想像してみてください。
ごく普通の、よくある、見映えのしない、灰色の光景ですよね。
だったはずなのですが……
突然、僕の隣のおじさんが、立ち上がりました。
同時に、向かいのサラリーマンも腰を浮かせます。
そして、東スポと夕刊フジを、素早く交換しました。
僕はびっくりしました。
だってその2人は、それまでほんの少しでも、
知り合いだというそぶりを見せてなかったのですから。
いや、それどころか、新聞を交換するその瞬間だって、
一言も言葉を交さず、軽く笑いかけることすらしていないようでした。
両者とも、まるで今の出来事がなかったかのように、
憮然とした表情で、無言で新聞を読み続けています。
でも、2人は、実は……
とーっても、仲良し♪
なんですよね。
なーんだ、おじさんたち、可愛いなー。
新聞交換しあいっこなんかしちゃって。
思わず口元がほころんだ、そんな平日の夕方でした。
今日は蒸し蒸ししてて、暑かったなー。
インプレスコミュニケーションズ (2005/06/17)
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