僕が本当に小さい頃ですからもう20年近く?も大好きなマンガの最新刊が出ました。
今、一気に読み終わって、うっとりと陶然としています。これです↓
夢幻紳士 幻想篇
高橋 葉介 (著)
「夢幻紳士」は、何とも不思議なマンガです。ちょっと一言では説明できない。
なので、ここでは僕が一番気に入ってる部分を紹介することにします。
僕が夢幻紳士の中で一番気に入っているのは、その雰囲気です。
登場人物たちの古風なファッション、筆で描かれた絵柄、イマドキでない言葉。
それは、「近代日本文学的な」「大正/昭和初期的な」あるいは「江戸川乱歩的な」と表現していいと思います。
言葉では伝わりにくいと思うので、何ページか失礼して紹介させていただきます。
まあこんな感じで、手塚チックな絵柄のくせに、「怪奇譚」的な雰囲気が漂ってるんですよね。
あと、キャラのモチ肌と切れ長の目も好き。この「幻想篇」にはあまり出てきませんが、特に女性のモチ肌感が逸品です。
ストーリーの方も絵柄に沿った内容になっています。どことなく古風な設定の中、夢とも現実ともつかない、そして怖さを感じるような、不思議な感じ。
夢幻紳士は、大きく分けて少年の夢幻魔実也が活躍する「冒険活劇篇」と青年の夢幻魔実也が活躍する「怪談篇」があるのですが、特に怪談篇の方は、江戸川乱歩にホラーをミックスしたような、独特な雰囲気があります。
基本的に短編集になっているので、話が判らなくなることも少ないです。
今回の「幻想篇」では、夢幻魔実也は1人の少年をひたむきに守り続ける「黒い守護天使」として登場します。
いつもよりさらに夢と現実の境目を行っていて、まるでリアリティはないですが、お好きな方はドップリと夢幻紳士ワールドに浸れる内容になっています。
デビッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」のような、ひっそりとして奥が深そうな怖さがあると言えば、同映画を見たことある方なら判るでしょうか?
耽美とかビジュアル系とかゴスロリとかは苦手な僕で、オカルトとかホラーとかも避けて通り、ミステリーもあまり好きではないのですが……なんなんでしょう? 何故か心の深い部分をくすぐられます。
たぶんマイナーなんだろうなあ、このマンガもこの作者も。
とてもとてもセンスがいい作品なので、みんなも読んでみたらいいのに。
江戸川乱歩全集 第3巻 陰獣
江戸川 乱歩 (著)