熊野古道沿いには、自然をそのまま崇拝しているような神社が、いくつかありました。
ま確かに、なんだかそういうオーラを放っている自然だったわけですが。
例えばこれ↓
これは花の窟神社(はなのいわやじんじゃ)と言います。
この神社、とても小さくて、かつ無人神社?みたいな感じなのですが、
祭ってあるご神体が、巨岩そのものなのです。
この神社は、日本神話の最初の方「国生みの神話」に出てくる伊弉冉尊(いざなみのみこと)が葬られた場所であると言われています。
つまり、恐らくとても古い神社なんですね。
だから古代の、自然崇拝のような形がまだ残っているのだと思います。
僕が行ったときは、誰もいなくてとても静かで、岩は圧倒的な存在感でそびえ立っていて、でも爽やかな感じで、
「ああ、ここは昔から特別な場所とされてきたんだなあ」
ということを、ひしひしと感じました。
他の場所と明らかに空気が違うので、もっと有名になってもいいのになあ、と思いました。
熊野駅からすぐそばにあります。
ちなみに、脱力世界遺産ノボリは、ここにあります。
これは神倉神社にあるゴトビキ岩です。
神倉神社は、熊野三社の1つ、熊野速玉神社のオリジナルだそうです。この点については諸説あるようですが。
ただ、ここに神社ができる前から、この岩自体が崇拝の対象となっていたらしく、この岩の下からは弥生時代の銅鐸などが発掘されています。
また、オーラの泉の江原啓之さんは「神紀行」という本の中で、ゴトビキ岩に行った時のことを、「『ここが熊野のもとである』という役行者の声がはっきりと聞こえ<中略>これほど強い霊場は、なかなか存在するものではありません」と書いています。
僕が行ったときは……まず、心臓破りと言われている500段の階段は、別に大したことありませんでした。
そしてゴトビキ岩。何かの卵のように見えました。あの中に、より大きい何かの元が詰まっているような。
あと、きっと関係ないですが、この辺の名物であるめはり寿司にも似ている気がしました。
これは那智の滝。
今回の熊野旅行中、僕が最も気に入った場所の1つです。
熊野三社の1つ、熊野那智大社はこの那智大滝を神とする自然崇拝からおこった社だそうです。
すごい迫力で、美しく、何よりも清々しく爽やかな滝でした。
清らかなエネルギーがほとばしっている、というのは、こういうことを言うのですね。
写真でその凄さが伝わらないのが、残念でなりません(泣)。
僕は滝は国内・国外問わず割と見ていて、その中にはもちろん那智の滝よりも大きいものも多数あったのですが、
「神っぽさ」という点では、那智の滝は、もしかしたら今まででナンバー1かもしれません。
神武天皇やらなんとか上皇やら修験道の人たちが、ここを聖なる場と捉えるのもうなづけます。
なお、那智の滝は飛瀧神社の中から見るのですが、この神社は、那智の滝を直接拝む形になっています。
下手に社殿作るより、気が利いてると思います。
また、300円払うと、滝の間近まで直接行くことができます。
これがまた気持ちいい! 結局2度行っちゃいました。
ところで、僕にこの熊野への旅を勧めてくれた、笛吹きの雲龍さんが、
先日、那智の二の滝で、地球交響曲(ガイアシンフォニー)第六番の撮影を行ったそうです。
雲龍さんと那智の原始林は、とても似合っている気がします。上映が楽しみです。
その他、大斎原も素晴らしかったし、
熊野古道そのものも、昔の人は「祈りの道」として歩いている途中で、
熊野の自然と触れ、そこにアニミズム的なものを感じていたと思います。
自然をそのまま神として拝む、というのは、
なんだか日本人的にはしっくりくる気がしました。
変に誰かを神扱いするよりも。
500ピース 青岸渡寺と那智滝
エポック社