街をのほほんと歩いていたら、
イケメンで、
着物を着て、
荷物たくさん持って、
後ろに水車をくくりつけた自転車に乗っている、
そんな若者を見つけたので、
思わず声をかけたんです。
僕:「なんですか? これ」
若者:「あ、これ、図書館です」
図書館!?
確かに水車を見ると、羽根板の一枚一枚に、
本がかかっています。
びっくりして、いろいろ詳細を聞いてしまいました。
彼は、この「じてんしゃ図書館」を引っ張って、
日本一周をしている最中だそうです。
愛知からはじまって、
北海道まで周って、今東京。
ここまでで、なんと2年。ずっと自転車を漕いで、
お金がなくなったらバイトをして、本を買って、
また旅に出る。そんな生活だそうです。
次は九州の方に行くとか。
そもそもこの旅は、
この若者と1冊の本との出会いからはじまりました。
百年の愚行
池澤 夏樹 (寄稿), アッバス・キアロスタミ (寄稿), フリーマン・ダイソン (寄稿), 鄭 義 (寄稿), クロード・レヴィ=ストロース (寄稿), 小崎 哲哉 (著)
Think the Earth Project (著)
「百年の愚行」は、
20世紀に人類が何をしてきたかを、
写真で紹介している本だそうです。
若者はこれを読んで、
非常に衝撃と、それと危機感を感じます。
このままだと21世紀も、
人類は同じ過ちを犯してしまうかもしれない。
そしていてもたってもいられなくなり、
行動を開始したんだそうです。
基本的には彼は、
この「百年の愚行」を全国の図書館に置いてもらうために、
全国を旅して、図書館を回って、お願いして歩いています。
また、旅の道中で出会った人たちに
図書館のように、本を貸し出していっています。
「何か借りていきますか?」
とお誘いを受けたので、
しばらく悩んだ後、この小さな本を借りました。
ハチドリのひとしずく いま、私にできること
辻 信一 (監修)
すると若者は、
なにやら裏に書き込みはじめました。
書いていたのは、
葉っぱが1枚だけ書かれた、
木のイラストでした。
「読み終わったら、葉っぱを1枚書き込んでください」
と、若者は言いました。
「そして、他の誰かにこの本を渡してください。
いつかこの木についている葉っぱが、
いっぱいになることを祈って」
なんとまあ、
何もかもオリジナリティ溢れる人なんだろう!
そしてなんとまあ、
利己主義や損得や効率を超えて行動してるんだろう!
すごくピュアで生命力いっぱいです。
明日からゴールデンウィークだってときに
こんな爽やかなエピソードに出会えるなんて、
幸先いいなあ、と気分がよくなりました。
なんらかの手段で彼を応援してあげたい、
と思って、こうやってブログをしたためています。
彼のホームページは以下のとおりです。
もしどこかで彼を見かけたら、
ぜひ声をかけてみてください!
きっと元気になれますよ。
p.s. じてんしゃ図書館がきっかけで、有名ラーメン屋と仲良くなりました。不思議な縁。