(写真はイメージです)
先日、銀行の入り口に簡易設置されたICカード申し込みコーナーで必要事項を記入していたら、隣から、
「オレは○○会社の役員でな、その前はオーストラリアで支店長として云々……」
という大声が聞こえてきました。
怒っているような、クレームのような声でした。
はて何だろうと思って隣を見てみると、60過ぎくらいのおじさんが、受付の女の子に向かって自分のキャリアを怒鳴り散らしながら、申込用紙の「職業」欄に、
無職
と書いている光景が飛び込んできたのです。
たぶん定年退職直後で、つい先月まであった社会的ステータスが急にゼロになったのだということを、まだ受け入れきれていないのでしょう。
「Life is beautiful」の中島聡さんは、このような人たちはブログをやればいい、そうすれば、自分がどこかに所属する必要なく、自分の社会的アイデンティティを築くことができる、と、以前飲み会のときに話していました。
僕もこの考えに同意です。どこかから肩書きを与えられることなく、自分が自分であることを表明することができる場所があることは、自尊心の維持にとって非常に有効だし、自分個人の経験上も、ニフティを退社して無職になったとき、自分が社会のあぶくのような存在だと感じなかったのは、ブログをやってたおかげかもなと思います。
ブログじゃなくて、イザ!とかオーマイニュースとかlivedoor PJニュースとかも同じかもですね。
ただ……そうすると、申込用紙の職業欄に、
ブロガー
とか
市民記者
って書く人が増えることになりますね……
……えーっと……それは……
僕個人が名乗るのはキモくて無理ですが……これから第二の人生を歩まれる方々にはいいかもしれないな、と思います……たぶん……
職業欄はエスパー (角川文庫)
森 達也 (著)