自動のものは、実はバイトによる手動なのかもしれません。
例えば、トイレで小の用を足すとき。
最近、用を足した後で便器から離れると、自動で水が流れるタイプが多いじゃないですか。
あれが、実は手動。
壁の向こうにバイトがいて、赤い赤外線ランプの向こうから僕たちの方を見ている。
僕たちが遠ざかったのを見計らって、タイミングよく、手に持ったバケツの水を流している。
バイトは3交代制。時給は結構高いけど、職場がトイレなので「トイレ休憩」という概念はない。
基本的には男性のみのバイトだが、需要が高いところ(丸の内など)は、ときおり掃除をしてくれる女性が兼務しているときもある。
僕が気軽に用を足しているその向こうで、多くの人が頑張っているんだなあと、しみじみしました。
今度トイレに行くときは、そっと「ありがとう」と言ってみようかな。アブナさがいきなりレッドゾーンに振り切れるからやめとこうかな。
食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字
山田 真哉 (著)