僕はゆるキャラが好きというわけではないのですが、
絵本を企画したこともあるくらい、
自他共に認める可愛いもの好きでございます。
そんな僕のところに、ある日、
杉並区役所区民生活部産業経済課という、
すごくちゃんとしてそうな部署の、
「アニメ係」という不思議な部門から、
荷物が届きました。
何かのキャラクターグッズのようです。
とりあえず、一番大きい箱を開けてみます。
ユルい……なんだこれは……
と、いうわけで、あまりにも不思議だったので、調べてみました。
このキャラクター、名前は「なみすけ」というのだそうです。
実はれっきとした杉並区の公認キャラクター。
その証拠にちゃんと公式サイトにも登場しています。
なみすけは、2006年に行われたコンテストで優勝したキャラです。
杉の並木を背負った世にも稀な……怪獣? 妖精? 杉並区のあちこちを散歩して、その模様をブログで紹介したり、限定グッズが若い女性を中心に大人気を博したり、「やわらか戦車」で有名なファンワークスとエージェント契約を結んだりと、ただのゆるキャラを超え、積極的に活躍してます。
可愛い顔してなかなかのビジネスマンですね。
この「なみすけ」をプロデュースしている「アニメ係」も、名前こそまるでアニメに出てきそうですが、時かけやエヴァのスタッフロールにも名前が出てきたり、ミュージアムを運営していたりする、ちゃんとした組織なんです。
杉並区は全体としてアニメを積極的にサポートしているんだとか。
僕がもらったのは、この「なみすけ」のキャラクターグッズだったようです。
「なぜ自治体はゆるキャラを作りたがるのか(by shike)」。それは日本民族の精神性、現代日本の集合無意識、都市と田舎、社会システム固有の歪みなど、さまざまなド深い何かを象徴しているような気がするので、ここでは全く触れる気はありません。
ただ、「なみすけ」はけっこう良いのではないですかね。元々のキャラクターが良いばかりでなく、その後の区の運営やサポートも充実しているところが。
ゆるキャラにはこれが大事だと思うんです。「何か可愛いものを作ればいいだろう」ではなく、作ったコンテンツをちゃんと生かして、継続して、様々な方向に展開していく。「なみすけ」には、そういう意味での、正しいゆるキャラ運営を見た思いがします。
特に、生まれも育ちも学校も杉並の近くの僕としては、親しみを感じている区がこうやって新しくて楽しい試みをしてくれるのは、とても嬉しいですね。
けど……
どうしてもどうしても、なみすけよりも、なみすけをデザインした、
五味由梨さん(当時藝大2年生)に惹かれてしまうんですよね……
カワユス……文章もどこかほのぼのしていて、癒されます……