大昔に買ってようやく読んだ渡辺千賀さんの「ヒューマン2.0」は、P173~P180辺りが面白かったです。
ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)
渡辺 千賀 (著)
特に「ちょっとフワフワして自分でもよくわからない自分」みたいなのを意識して残しておくと、予想だにしなかったチャンスを掴めるかも、っていうのと、時流に乗るには理性的客観的に見るより、ついウッカリ乗っちゃったみたいなおっちょこちょいな部分がある方がいいっていうのは、自分と照らし合わせても「そうかも」と思います。
両方とも、未来は予測不可能だから、見えない部分をできるだけ穴埋めして、不安要因を消していこうという生き方と、予測不可能だからあんま考えず、来るものに運動神経で対応するくらいの感覚でいようという生き方の、違いを浮き彫りにしている気がします。
もうちょっとブレイクダウンすると、不安をベースにアクションを起こすか、ワクワクをベースにアクションを起こすか、ということなのかも。正解はないと思いますが、後者の方がなんとなく楽しそうだなという気はします。
あと、先入観(メンタルマップ)と現実のズレの話も面白かったです。「世界はこうあるはず」というメンタルマップと現実にズレがある場合どうするか。人間の性質としては、「おかしい、世界はこうのはずだ」と、現実世界をメンタルマップの方に合わせようとしてしまう傾向があるんだとか。
頑張っても頑張っても何の手ごたえもない、という場合は、もしかするとメンタルマップが邪魔をして現実を直視できていないのかもしれないので、「今いる場所は以前の経験が役に立たない、まるで知らない場所」という意識で、もう一度状況を見直してみると、新しい世界に新しいやり方対応できるかもしれません。
これも、まったく見知らぬ新しい世界にも自分は対応できる、ということを信じて、それに身体を預けられるかどうか、っていうのもポイントになってくるかもしれませんね。
自分に対する根拠のない信頼と希望が、どういう人生になるかのキーポイントになる(いい意味でも悪い意味でも)。ページの端々からそんなニュアンスが伝わってくる本でした。