田口さんも絶賛していた「LAWより証拠」は、気軽に読めるし、一度目を通しておくと、いざというときいろいろ便利な良書じゃないかと思いました。
LAW(ロウ)より証拠
平塚 俊樹 (著)
著者の平塚俊樹さんは、裁判などで使うための証拠を集めるのを仕事とする「エビデンサー」という職業の方。まだ日本で1人しかいないそうです。
証拠がないといくら弁護士を雇ってもムダだし、弁護士は証拠探しはしてくれない場合が多いです。また、この世界は複雑なので、知識がないと本来なら必要ない泣き寝入りをせざるをえなくなってしまうのも確かです。
この本で面白いと思ったのは、その基本的なスタンスの部分、実際に被害を受けた本人が強い意志を持って自ら動けば、警察や弁護士に「解決は無理」と言われた案件でも、絶対に何か手立てがある、という点でした。
意思が未来を切り開くことはありますが、トラブルに巻き込まれているとただでさえ心的ダメージが大きいので、どうしても気持ちを強く持ち続けることが困難です。でも、あきらめないで自分で動けば、必ず味方が集まるし、運も助けてくれる。この言葉を覚えているだけで、心が折れそうになるときを耐えられるかもしれません。
また、打てる手は全部同時に打つというのも、とても納得しました。この場合の打てる手というのは、警察に足しげく通う。医師からの診断書などをもらえるよう努力する、考えられるありとあらゆる行政にかけあうなどなど、社会的なこと全体です。
裁判所や警察や弁護士だけではなく、さまざまな公的/私的機関や、ご近所や地域の方、その他ありとあらゆることをやることによって、多方面からサポートを得ていくのが勝つコツだと書いてありました。
というか、エビデンサーって、なんだかものすごく重要な職業の気がするのですが、日本に彼1人しかいないで、本当にいいのでしょうか?
もっとたくさん出てくるべきじゃないですかね? それをテーマにした漫画でも連載したらいいんですかね? 「エビデンサー翔」みたいな。
p.s. typo指摘thx! > mu