人員削減とかレイオフとかリストラとかが新聞をにぎわしています。
毎日のように目にするこれらの言葉を目にしていて、僕はふと、「おしゃれなエコが世界を救う」という、微妙な題名の本の中の、とある一節を思い出しました。
この本の著者はサフィア・ミニー。フェアトレードのファッションを売る会社「ピープル・ツリー」の社長です。
フェアトレードとは、途上国などの立場の弱い人や自然環境に優しいモノ作りと売買をしようというコンセプトです。詳しくは「フェアトレードとは」を読んでください。
と、説明はこのくらいにして…その中に、こんな話が書いてあります。
ちょっとこのたびの状況とは意味が違うし、長いのですが、お読みください。
職人さんの仕事が、ある日突然うち切られる。ということは、手織りの仕事が別のものにとって代わられたことを意味しています。
それは、動力を使って速く大量に布を織り上げる「機械」です。資本力のある企業は、機械を導入することによって人手を削り、コストを抑えて利益を上げます。その一方で職人は仕事を失い、収入がなくなる。金持ちはより金持ちに、貧しい人はさらに貧しくなってしまうのです。私は、職人さんたちが大好きです。<中略>そんな素晴らしい人たちが、一部の金持ちにしか利益をもたらさない機械にとって代わられる。
こんなことが、許されていいのでしょうか。
私たちは、機械よりもずっと多くの人に仕事の機会をもたらす手仕事の価値を、もっと見直すべきだと思います。(太字は僕)
別に僕は、首を切らずに保護しろ!とも、逆に首を切りやすくして雇用流動性を高めろ!とも言いたいわけではありません。また、人生やビジネスにはドライな部分が大事だというのにも賛成です。
ただ、今年は、「経済合理性の追求や効率化よりも大切なことがあるよね」ということを念頭に置いてビジネスをするのが、大切な気がするのです。
それは、経済の先に、経済の良し悪しに関わらず続いていく「人々の生活」がある、という想像力を持っているかどうかということを意味しているのだと思います。なにより、そういうことを意識しながら仕事を創っていく方が、紫の煙を吐きながらガツガツと金稼ぎをするよりもお洒落な気がしませんか? と、本の題名と無理やりこじつけて言ってみたりして。
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ところで、ピープル・ツリーは、日本で立ち上がったフェアトレード会社です。
しかしサフィアは、イギリス生まれイギリス育ちのイギリス人。旦那もイギリス人。
そんな彼女が旦那の転勤を機に日本に来て、さまざまなきっかけを通して、外国人でありながら日本でビジネスをスタートさせていきます。行動力と、あとなんというのか「きっかけをつかむ力」がすごい人だなと感じました。
文字も大きくてすぐに読めるので、興味があったらぜひ手にとってみてください。
あとピープル・ツリー自身は、通信販売が主ですが表参道などにもショップがあり、僕も時々利用しています。服や雑貨もオーガニックな感じかつ洒落ていていいのですが、チョコがすげー美味しいんです。今年のバレンタインデーなどにいかがでしょ?
おしゃれなエコが世界を救う 女社長のフェアトレード奮闘記
サフィア・ミニー (著)