アートを見る目、というのは、生まれつきのものなのでしょうか。
川村記念美術館が好きで、よく行くのです。
ちょっとした公園とセットになっていて、気がいいというか場がいいというかマイナスイン的な何かが出てるというか、散歩しているだけで何故かホッとするんですよね。
レストランも美味しいですし。
大げさですが人生の進路に悩んだときなどに、ここに来て、美術品を見たり自然を眺めたりボーッとしたりします。
僕にとってのリセットボタンのようなものです。
で、今回の川村記念美術館。
相方が好きなマーク・ロスコの展覧会を観にいったのです。
マーク・ロスコは、典型的な抽象画家です。パッと見ると「赤とか青とかで塗りつぶされてるだけじゃん。超退屈」と思うことでしょう。
でも、頭の中から「赤」とか「青」っていう色の概念を取り払うと……そこにあるのは、極めて複雑な無数の色が慎重に塗り重ねられた、見れば見るほど深く見入ってしまう、まさに瞑想というほかないような、不思議な鑑賞を経験します。
僕は彼の絵をとても気に入りました。そして、
「これはすごい! オフィスのデスクに置いといたら、とても心が落ち着くのではないか」
と思って、ポストカードを大量に買ったんですよね。
でも……
週があけて月曜日。
小汚い自分の机をアートな雰囲気タップリのお洒落ワークスペースにすべく、買ってきたポストカードを広げてみたら……
どっちが上でどっちが下かわからない(号泣)!
これは盲点でした。いくら眺めてみても全くヒントなし。
自分のアートの見る目のなさをつきつけられたようで、絶望的な気持ちになりました。
とりあえず、貼ってみたのですが……
上下逆になってないかどうか、見るたびに不安です。全く心が落ち着きません。