いきなり一番を押さえると、それ以下のものは、どうでもよくなってしまうのですね。
それは先週末、友だちの結婚式(おめでとうございます!)に行く途中の電車内での出来事。
2人の女性が僕の目の前に立って、旅行の話をしていました。
どうやら片方が、どこかの洞窟に行く様子。
A子:「暗くて静かで涼しいところが好きなのよねー」
B子:「へー」
みたいな感じで、特にどうということはない世間話だったのですが……
A子:「でも、ちょっと怖くもあって、本当に行こうかどうか迷ってるのよ」
B子:「怖いって?」
A子:「だって、変な生き物とかいるかもしれないじゃない」
そう不安がるA子を、B子は、こう笑い飛ばしたのです。
B子:「平気よー! 幽霊くらいしかいないんじゃない?」
それが一番怖いって!
一番避けたいパターンだって。洞窟にいる幽霊なんて、超恨みが深そうじゃない!? 時空歪めて一生洞窟に閉じ込められそうじゃない!?
A子はB子のひとことを聞いて、黙ってしまいました。どうやら洞窟旅行のキャンセルを真剣に検討しはじめた模様です。
まあどこに行っても、幽霊いるかもしれませんからね。
ほら、たとえばあなたの今座っている机の下とかに……
洞窟オジさん―荒野の43年 平成最強のホームレス驚愕の全サバイバルを語る
加村 一馬 (著)