先日、もしリップサービスでなければ普段から小鳥ピヨピヨの読者でいらっしゃいますロッキン・オンの大室さんから本が贈られてきまして。
先日の「Twitterと政治」イベントや、昨今の変化が激しい状況から、最近再び現代政治に興味がわいてきた身としては渡りに船な雑誌でしたので、さっそく読んでみまして。
そしたら……高橋源一郎と内田樹の対談が、やたらと面白かったんですよね。
詳しくは対談全文を読んでいただければと思いますが、今回の選挙を、彼らは、こう捉えているんですよ。
自民党から見たら: 自殺
国民から見たら: 熟年離婚
今回の選挙: 大山鳴動して鼠一匹
「自殺」ってどういう意味かというと、「戦後」という世界を生きてきた自民党が、戦後じゃない世界になってしまっているのに一党独裁だから理念を変えることができず硬直化していって、無意識のうちにもうウチら存在理由が無いと思っていたんじゃないか、と。
「熟年離婚」の方は、家父長的で独裁的な自民党と、それと決別するという発想がそもそもないから、不満を抱えながら唯々諾々と従っている国民。でも我慢が臨界点に達し、メリットデメリットとか関係なく「もうイヤだ! 離婚します!」、と。
最後の「大山鳴動して鼠一匹」は、60年も続いた体制が崩れるわけだから、大山が鳴動するくらいの政治エネルギーが消費されるけど、もう国民も、今後は途上国のようなダイナミックな発展はないと思っているから、結果はネズミが一匹出てくるくらいでちょうどいい、と。
特に最後のは、人によっては絶望と感じるかもしれないし、藤原直哉のように低エネルギー&高品質に未来を感じる人もいるかもしれませんが、なかなか含蓄がある感覚でしたね。せっかくなのでちょっと抜粋してみます。
だってさ、「経済成長さえすればすべての問題は解決する」っていう経済成長万能論に対しては、僕たちは内心ではもうそれは無理でしょと思ってるわけじゃない。人口も減ってるし。このまま国力がだんだん低下していくんだろうなって。でも、国としての力が下がっていても、それでも気分よく暮らすことはできる。そのためにはどうしたらいいかっていうと、(レヴィ=ストロースのいう)「冷たい社会」にするわけですよね。円環的な時間をくるくる回る。ユダヤ=キリスト教的な直線的な時間では無くて、日本人が大好きな円環的時間。目先は変わるけど、何も変わらない。
まあ軽い対談なので冗談半分な部分もあるのでしょうが、なかなか見晴らしのいい記事でした。
まずは政治ポジションテストでもしてから、ぜひお読みください。他の記事も面白かったですよ。