最近、子供ができ、20年後、30年後の社会や世界、日本の形を考えることが多いせいか、サステナビリティ(持続可能性)や社会起業に興味深々です。
「サステナビリティ」とは「次世代のニーズを損なうことなく、現世代のニーズを満たす」こと。
意味はわかるけど、なかなかイメージはしにくいですね。石油を使うなとか?
というわけで、「ダイワJFS・青少年サステナビリティ・カレッジ」という無料のセミナーで、greenz.jpの編集長、鈴木菜央さんの講演を聞いてきました。
非常に面白かったです。
特に気に入ったのが「賛成型の活動」と「クリエイティブにやる」というコンセプト。
「賛成型の活動」とは、文字通り「賛成」というアクションを起こそうということ。
社会活動というと、つい何かに「反対」という態度を思いつきがちですが、逆に、自分が何に「賛成」できるかを探す。賛成できることを応援していく。
鈴木菜央さんは「『反対』というマインドセットが問題解決を引き延ばしているのではないか」と言っていました。
「クリエイティブにやる」とは、楽しいユニークな発想で活動を起こそう、ということ。
愚直に黙々とやることを否定はしませんが、興味がない人を惹きつけるには、「面白そう。だから話を聞こう(by K DUB SHINE)」という方向を目指した方が、効果が高いし、やってる方も楽しめるんじゃないか、という話。
鈴木さんは、この2つのコンセプトの具体例を、たくさん紹介してくれました。
どれも最高に楽しそうでした。詳細はたぶんgreenz.jpに載る(と思う。鈴木さんが載せると言ってた)のでそれを待ってもらうとして、ここでは、特に僕が気に入った2つを紹介します。
- キャロット・モブ
- サンフランシスコで始まったムーブメント。とある人が、近隣のスーパーに「1日の売り上げのうち何割をグリーンな活動に使いますか?」というアンケートをとったのだそうです。
そして、一番パーセンテージが多かったスーパーに、「○月○日にみんなで行こうぜ!」 とYouTubeやTwitterで呼びかけました。
結果は……普段の5倍近くの売り上げを上げ、お店は数時間で空になったんだそうです。
今この活動はアメリカからヨーロッパへと渡って、少しずつ広がっているんだとか。
(参考:反対するだけが能じゃない。「買うことで変える」新しい消費者運動のカタチ「キャロットモブ」) - ゲリラ・ガーデニング
- 街中の公共の場所にある、放置されくたびれてしまった植木たち。
ゲリラ・ガーデナーたちは、そういった公共の場所で、勝手にガーデニングを行い、そこを草木と花が生き生きと歌う庭に変えてしまうのだそうです。
心配性な方のために、もちろんやっている本人たちも、これらの活動は暴走すれば危険だし、合法違法という点から問われると問題もある、ということは判っています。
けど、とってもクリエイティブで、賛成型です。基本的には明るく暖かい心から生まれたものに見えるし、ユーモアのセンスもある。話を聞いただけで楽しそうだし、そこに参加している人たちが楽しんでいるのを感じ取ることができて、微笑ましい。
なにより本当にやっちゃうところがすごい。
そして鈴木さんは、これらの「社会変革活動」が、ソーシャルメディアが出てきたことによって格段にやりやすくなったと言っています。
今は「誰でもメディア」の時代です。YouTube、Twitter、ブログ、ニコニコ動画、mixi。現在は、こういったものを組み合わせて、昔であればテレビや雑誌や新聞にしかできなかったような「メディア活動」が、簡単に、空き時間を使って、誰にでもできるようになりました。
会社をやめて活動に没頭などしなくても、電車を待っているほんの数分の間に、アイディアや情報をTwitterに投稿するだけで、社会活動ができてしまう。そんな「パートタイム革命家」が世界ではどんどん出てきています。
僕らは、ネットによって、僕らが思ってるよりかはもう少し大きな力を手にしているのかもしれないな、と思いました。
どうせならこのソーシャルの力を、たまには、自分たちも次の世代も楽しめるようなことに使えないかなあと思います。
ライネフェルデの奇跡 まちと団地はいかによみがえったか
W キール (著), G ツビッケルト (著), 澤田 誠二 (監修)