ご献本感謝。「直球勝負の会社」を読了しました。
直球勝負の会社―戦後初の独立系の生命保険会社はこうして生まれた
出口 治明 (著)
ライフネット生命の社長の本です。ライフネット生命は74年ぶりに日本にできた独立系生命保険会社で、出口さんは60歳過ぎてでこの会社を起業した、本人曰く「還暦ベンチャー」。
ライフネット生命の特徴は「保険料半額」と「不払いゼロ」。パッと聞くとなんだか怪しいというか、そんな上手い話あるわけない、何か隠されてる、騙されてる、と感じがちです。
しかし、この本を読めば、この会社がビックリするくらいまっとうで、挑戦的で、そして若々しいのかが、よくわかると思います。
何より出口さんの人柄と信頼の置ける感じが半端ない。
保険のことを骨の髄まえ知り尽くした故に、関係者全員がハッピーになれるような「理想の保険ビジネス」を思い描くことができ、
還暦であるが故に、余計な野望を盛り込むことなく、純粋にその理想を追い求めることができ、
「川の流れに身を委ねて自然体で生きる」という人生哲学故に、十分機が熟したタイミングまで待つことができる。
保険というと、マスター・キートンのこのセリフが記憶に残っていて、
必要な社会インフラなのはわかりますが、どうしても少し怪しい気がしてしまいますし、実際僕の友だちも入っていない人が多いです。
僕自身も、新入社員の時に、会社に来ていたおばさんへの義理立てのために朝日生命に入って、ズルズルとそのままで、「なんとかしないとなあ」と思っていたところではあります。
でも何度雑誌の特集やWebを見ても、よくわからないし、何をオススメされても「もっといいのがあるんじゃないか」と思ってしまう。共済の方いいのか、いっそのこと生保なんてやめたほうがいいのかと考えることもしばしばです。
でも、ライフネット生命っていい会社だなと思ったし、ここの保険商品もいいなと思いました。
どうせ最適解がないんだったら、自分がそこに属して気持ちのいいところにお金を落としたほうがいいですよね。
今度こそ真剣に保険について考え直そうかしら。明日出口社長に会うので、その辺も聞けたらいいな。
それと、出口さんの年齢についてもひとこと。
出口さんは恐らく僕の父と同じくらいの年齢だけど、こんなに若々しい会社を立ち上げて、本当にすごいと思います。
けど、たとえば(本ブログでは一部熱狂的ファンを持つ)僕の父や、定年退職した尊敬する上司を見ていても、週に5日働くのは体力的に難しいけど、その専門知識と経験の豊富さ、そこからにじみ出てくる理想系の見事さと説得力、アイディアや話術の巧みさは、まだまだ全然イケるし、むしろ今の日本にとって、いったん家庭に入った女性や就職先のない若者と同じく、必要なリソースなんじゃないかとすら思います。
ライフネット生命には定年退職がないそうですが、週3日勤務くらいで、ワークシェアリングを上手にマネジメントすることによって、60代70代の人が自分のスキルをフル活用した仕事ができるような、そんな環境を整えるのは、日本再生のひとつの方法かもしれないな、と思いました。