「人脈の教科書」は、カリスマバイヤーとして、また福助株式会社の社長として有名な藤巻幸夫さんが、その圧倒的な人脈を作るに至った方程式をまとめた本です。全部で159ページしかなく、図やイラストも多いので、サラサラとすぐに読めてしまいます。
人脈の教科書~図解フジマキ流シビれる人生をつくる~
藤巻 幸夫 (著)
軽く読めるのですが、内容には実際の藤巻さんの経験が刻印されていて、何気に深いです。
僕も一度、もう10年も前ですか、藤巻さんと、とある小さな立ち飲みバーでご一緒させていただいたことがあります。
そのとき彼は40代だったと思うのですが、20代の女の子たち7人くらいを相手に、全く偉ぶらず、話の内容や言葉遣いにも世代の違いを感じさせず、自分の世界に引きずり込むでもなく、実に自然に溶け込んで、輪の中心になって会話していました。
その「人に好かれる」さ加減は、もう10年も経ってるのに未だ鮮明に覚えているほど強烈でした。よほど特殊な職業に就いている場合じゃない限りは、誰でも「彼のようになりたい」と憧れるのではないでしょうか。
その素敵な人物が、素敵になるための秘訣を、これでもかというほどギッチリと詰め込んだこの本。
もちろん藤巻さんもおっしゃっているように、何かのスペシャリストであることは大前提なのですが、その上で、他のスペシャリストと出会い、どんどん化学反応を起こしていくためのノウハウに満ちています。
これから社会に出て行く人や、これから転職したり独立したりする人は、一度目を通しておくと良いかも。
ただですね……
この本、最後にこう書いてあるのです……
フジマキ流の人脈術を実践すると、なかなかお金がたまらないだろうし、ことによっては(忙しさのあまり)恋人に逃げられることもあるだろう。
ただし人生の歓びとサクセスはつかめるはず(!)。
そこはご愛嬌。こうした部分はあなたの人間力でぜひ補っていただきたい。
貧乏かつ恋人に逃げられるために努力するのは嫌なのですが(泣)。
どうやらこの本、どの部分は取り入れてどの部分は取り入れないか、読む側のリテラシーが要求されそうですね……