マイケル・ムーアに暴かれた日本の真実


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先日、マイケル・ムーア監督最新作『キャピタリズム - マネーは踊る -』の試写会に行ってきました。

Moore20091204

ムーア独特の、ほとんどMTVみたいな、めまぐるしい速度で展開される映像のマッシュアップとコラージュ、複数人のインタビューを短く切り刻んで再構成し、物事をマルチタスクで多角的に見せていく手法。
そしてユーモアのセンスとエンタティメント性。

政治風刺という、つまならく難しくなりがちなジャンルなのに、まったく飽きずに最後まで観賞できます。お見事! 僕の最も尊敬するコラムニストのマイク・ロイコのようだと思いました。

内容も、「なぜ1%の人々が富を独占し、一方で多くの人が働けど報われず、仕事や家を失わなくちゃいけないんだ。おかしいじゃないか」と、行きすぎた資本主義そのものを批判する、今までのムーア作品の集大成のようなテーマ。
少しでも政治や社会に興味がある人は必見でございますよ。オススメです。来年の1月10日公開予定。

 
 
ただ、ですね……

 
 
試写会では、映画上映後、ムーア監督と日本労働組合総連合会の古賀会長の対談があったのですが……

そのときに、ムーア監督が、日本版の副題「マネーは踊る」について、大笑いしながら、こう言及したんですよね。


 
 
「日本の副題に『Money Dancer』ってついてるらしいけど、これなに!? 英語的には全く意味をなさない、全然訳がわからない

敢えて言うと……葉っぱ吸って完全にラリった人が、お札がユラユラ揺れてるのを見て『マネーが踊ってる!』と大騒ぎするとか、そのくらいの意味しか思いつかない。

僕たち映画のスタッフは全員この副題に衝撃を受けていて、だからスタッフはみんな日本版のポスターを欲しがってるよ」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
責任者出てこい(泣)!

どうしてこうなった? 最初の「マネーは踊る」って副題がミスった?
それともこれを「Money Dancer」って訳したのが問題?

いずれにしろ、もう時すでに遅し。
時代を代表するドキュメンタリー作家の脳には、「日本人の英語力はマジでヤバい」とクッキリと刻印されたことでしょうよ……
監督は「今回の映画を撮って、本当に疲れたので、しばらく休みたい」といっているので、次回作は気軽なテーマとして「日本人の英語」が取り上げられるかもしれませんよ……

 
 
シッコ
出演: マイケル・ムーア 監督: マイケル・ムーア

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以下はちょっとネタバレ含み。

今回の映画で主張している、実体経済より膨らみすぎた金融経済と、それを使って大儲けするごく一部の人々、その人たちを優遇する政府、そしてその陰で仕事を失い、家を失い、自信を失う人々、この構造が「邪悪である」というのは、納得できます。

「家や仕事を失うのはお前の努力が足りないからだ。ここは自由市場なのだから、頑張ればそこから脱出できる」というレベルを超えてしまっているのが、現状だと思います。

お金儲けが大好きな人がマネーゲームに奔走するのは構いませんが、そうではない人が、生活できないほど落ちぶれて、人としての尊厳も保てないような状況になったっていい、というのは、人類の目指していた社会構造ではないです。

ただ、もうちょっと「だからどうしたらいいか」という視点が欲しかったように思います。

21世紀の今、労働者が一致団結して自らの権利を勝ち取るといった、旧来の労組や共産主義のような手法が対抗策だとは、どうしても思えないんですよね……

変化の時、相転移の時だからこそ、もっと「新しいやり方」が必要なんじゃないかな、ということを、感じています。

僕が最近超読み込んでいる本の1つ「誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる」の序文に、以下のような言葉があります。

(本書の)最大の目的は、世界を変える方法を変えることだ。

あるいは、以前紹介した藤原直哉さんの日本再生についての講演もそうかもしれません。いずれにしろ、今の世の中がより良くなるには、現状を維持するのでも、昔に戻るのでもなく、

真新しい、穴だらけの、ヨチヨチ歩きで、常に改善が必要な手段と方法を探り、試すべきではないかと、思っています。
ムーア監督には、次回は、そういう、希望についての作品を撮ってほしいな。

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