フィギュアスケートは、僕がテレビをつける数少ない理由の1つです。
毎年とても楽しみにしています。
なので今回のオリンピックも、とても楽しみました(参考:1、2、3、4、5)。どの選手も素晴らしかったです。
しかし選手ではなくてジャッジやその他戦略について、色んな批判が出てるようですね。
いろいろ読んだのですが……この2つの記事を読めば大体OKでしょうか。
● キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える(MURMUR 別館)
● リアリティの欠如(午後の雨やどり)
ものすごく単純に要約すると、
「浅田側は、現在の採点方式に沿った、より高得点を狙えるプログラム戦略を練っても良かった。
一方キム・ヨナは戦略が成功しすぎて、今後のフィギュア全体に深刻な影響を与える問題になってしまったかも」
という感じでしょうか。
特に「「世界最高得点」の意味を考えるの方は、去年に書かれた記事にも関わらず、ヨナが世界最高得点を更新し続け、オリンピックで金メダルをとり、その後引退するという筋書きをまんま予言していて、怖いくらいです。
プルシェンコも、4回転を跳んだ自分への評価が低く、フィギュア界に悪い影響を及ぼすとして、正式に抗議することとしたそうですね。
彼は真央ちゃんについてもこうコメントしています。
これはのりお@エアロプレインがチャットで言っていたのですが、オリンピックのフィギュアはスポーツであり、フィギュア選手はアーティストではなくアスリートなのですよね。
だからスノーボードのハーフパイプのように、難易度の高い技に挑戦することを評価せず、無難にまとめた方が高得点になってしまうと、スポーツとしてのよりどころがなくなって、ダンスになってしまう。競技ではなく演技になってしまう。
アスリートは主観評価をできるだけ廃し、客観評価で得点を競わないといけない。
なのに、超高難易度をキメまくったわけでもない選手が、2位以下を大きく引き離す点数をとれるような種目は、そもそもルール自体がおかしいのではないか、と。
なるほど。それはそうですね。
フィギュアにはプロもあるわけだから、アーティスト気質の人は早めにプロになればいいんですよね。
オリンピックのメダリストという金銭的価値はすごいと思うので、そう簡単にはいかないでしょうが……
今回のライサチェクやキム・ヨナの演技がダメだということではなく、もちろん素晴らしいのです。
さらに、僕は自分自身が踊りをやるせいか、個人的には、全体のアートとしての完成度が高かった、ライサチェクとヨナの方が今回は良かった、金メダルにふさわしい、とも思います。
しかし、オリンピック競技はスポーツだという観点ももっともでして、だから4回転を決めたプルシェンコ、トリプルアクセルを3回も決めた真央ちゃんは、アスリートとして、オリンピックの場でもっと評価されてしかるべきだったように思います。
そして個人的には、そういうことを全て踏まえて、4回転ジャンプに果敢に挑戦した高橋大輔選手がこの総括インタビューでベタ褒めされていたのが嬉しかったです。
素晴らしかったもんなあ。思わず『道』を観直したくなりました(高橋選手のフリー演技の曲ね)。
道【淀川長治解説映像付き】
出演: ジュリエッタ・マシーナ, アンソニー・クイン 監督: フェデリコ・フェリーニ
be SOUL
高橋 大輔 (著)