今週の土曜日に「TEDxTokyo 2010」というイベントが開かれます。
これは、知的にも精神的にも指折りの人たちが、次から次へと短いスピーチを行うというイベント「TED」の東京版。会場へは招待された人しか入れないものの、スピーチ自体はネットを通して誰でも閲覧することができます。
で、今回の面子もとにかくすごい! 詳しくはfumiちゃんのブログをご覧いただきたいのですが、音楽、デザイン、テクノロジー、哲学、文化芸術、ありとあらゆる分野の第一人者が、ボランティアでスピーチに来てくれます。
そして……そのスピーカーの1人に、龍村仁さんがいらっしゃったので、この記事を書こうと思い立った次第です。
龍村仁さんは、もう7話目にもなる人気ドキュメンタリー映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」の監督。
1番~6番をまとめたダイジェストフィルムがあるので、まずはそれを紹介します。
龍村さんはこの映画の着想を得たとき、こんな疑問をもっていたそうです。
「何か常識を超えたことを成し遂げたり体験したりした人、例えばはじめて宇宙に行った人とか、世界一高い山や深い海に到達する人、山の中で自然と高いレベルで調和した生活を送る人、特別に優秀な科学者、などなどは、全て同じものを見て同じ事を感じているような気がする。それは一体なんなのだろう?」
ごく一部の限られた人しか垣間見ることのできない特別な世界を、なんとかしてドキュメンタリーという手法で表現しようとしているのが、ガイアシンフォニーです。
そのため、とてもメッセージ性が強く、また日本においてはごく一部のテレビ番組などのために非常にその価値が貶められてしまった、ホリスティックでネイティブ志向でディープ・エコロジーでスピリチュアルなニュアンスが強い映画ですが、映像が極端に美しいのと、監督の主張は前面に出ず、登場人物をの人となりが素直にクローズアップされているため、とても気持ちのいい作品に仕上がっています。
龍村さんは、NHK出身で、ギャラクシー賞4度受賞をはじめとして数々の受賞暦に輝き、伝説の「セゾングループ3分CM」を撮影した監督です。
龍村さんの元でずっと働いてた部下と知り合いなのですが、彼が語ってくれたエピソードによると、
「とにかく肉体も知力も精神力も常人を超えている。例えば『葉っぱから落ちる朝露を撮影しよう』ということになったら、それは最高の朝露が撮れるまで、3日でも1週間でも山の中に泊り込むという意味」
だそうで、そういう執念から生み出される映像美と構成力は、見てるだけで惚れ惚れとします。
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僕は地球交響曲を第1回上映のころからずっと楽しみにしていまして、当小鳥ピヨピヨでも、実はこっそりと何度か紹介していたりします(1、2、3、4、5、6)し、DVDも全部持ってますし、新作の撮影が始まると、できる範囲で協賛やスポンサードもしています。
ただ……何といいますか、好きすぎるとどう紹介文を書いたらいいのかわからないというのと、ややセンシティブなジャンルなので、ガイアシンフォニーそのものについて小鳥ピヨピヨに書くのは、二の足を踏んでいたんですよね……
だから、龍村さんがTEDに出ると聞いて、とても嬉しく思いました。ガイアシンフォニーを、こういうのに興味ある系以外の、より幅広い人に観てもらえるきっかけになる気がしましたので。
もし龍村仁さんやガイアシンフォニーに興味を持った方は、ぜひDVDを買ってみたりしてみてください。
初心者の方には、まずは1番と3番をオススメします。
そして5月15日、今週土曜日朝9時すぎから行われるTEDxTokyo 2010。
龍村さんは朝9時25分からのスピーチとなりますし、それからも夜の6時まで、あらゆるジャンルの素晴らしい人たちが、入れ替わり立ち替わりスピーチしまくります。総勢29人!
いや確かに誰がどんなことを話すのか知らないですが、間違いなく最高のスピーチだらけだと思うんですよね……もし可能ならご覧になっていただければと思います。
僕も、土曜日は丸1日、パソコンの前から離れられないかもな……週末だから休みたいんだけどな……
地球交響曲第一番
出演: 野澤重雄(植物学者), ラッセル・シュワイカート(元宇宙飛行士) 監督: 龍村仁
地球交響曲第二番
出演: 佐藤初女(森のイスキア主宰), ジャック・マイヨール(海洋冒険家) 監督: 龍村仁
地球交響曲第三番
出演: 星野道夫(写真家), フリーマン・ダイソン(宇宙物理学者) 監督: 龍村仁
地球交響曲第四番
出演: ジェームズ・ラブロック(生物物理学者), ジェリー・ロペス(レジェンド・サーファー) 監督: 龍村仁
地球交響曲第五番
出演: 石垣昭子(草木染織作家), アーヴィン・ラズロ(哲学者・未来学者) 監督: 龍村仁
地球交響曲第六番
出演: ラヴィ・シャンカール(シタール奏者), ケリー・ヨスト(ピアニスト) 監督: 龍村仁