アンパンマンには、自分の頭を食べさせるという、恐ろしくシュールでマニアックな設定がありますが、だからこそ、かじられた痕は肉片のようであってはならないと思うのです。
このおもちゃを夜中に道端で拾ったときは、あまりにスプラッタぶりに、思わず恐怖の泣き声をあげそうになりましたもの。
別の角度から見てみましょうか?
恐らく持ち主の子供にかじられたのであろう頭が、まさに血のザクロとも言うべき毒々しい色で染まっています。
先日、映画から抜け出してきたような超絶イケメンがいることで有名な、吉祥寺郊外のビストロに行った帰りに見つけたものです。
なんでよりによって中のスポンジが真紅なのか。そしてなんでよりによってコイツをかじっちゃったのか。
もし将来シェフになることがあったら、アンパンマンの顔の形に切ったレアステーキをメニューに載せようと思います。
ザインにひそむ〈美しさ〉の法則
木全 賢 (著)