神本1:ボスニア紛争の「民族浄化」はPR屋の仕掛けだった -『戦争広告代理店』-【289冊中のベスト6冊】


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先日、2ヶ月半で289冊読んだと言いましたが、
その中に何冊か、まるで神すなわちゴッドのような本がありました。

半端なく超ウルトラ面白い。
誰にでも自信をもってオススメできる。何だったら隙あれば買ってプレゼントしてしまいたい。

そんな神本を、何回かに分けて紹介します。たぶん5冊くらいになります。

まず最初の1冊目は、「戦争広告代理店」。NHKディレクター高木徹さんの本です。
いやもうこれ、超ヤバい。むちゃくちゃに面白い。

ドキュメント 戦争広告代理店

高木徹

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ボスニア紛争って覚えてますか?
当時、セルビア側がボスニア側に「民族浄化」を行っているとして、国際世論の非難がセルビアに集中。最終的にNATOが空爆。セルビアは世界の悪者になって敗北、みたいな結末の、1990年代半ばに起こった戦争です。
今は民族浄化やその他残虐行為はお互いやってたなどの「どっちも悪い」という説を多数見かけるのですが、当時は民族浄化という言葉がナチスを連想させたこともあり、地球全体をセルビアへの義憤とボスニアへの同情が覆い尽くしていました。

この「セルビア人による民族浄化」というのが、実は米国の某PR代理店が仕組んだキャンペーンだったと知ったら、どう思われますか?

「戦争広告代理店」は、ボスニアに雇われた米PR企業のジム・ハーフという人が、全く誰の注目も浴びていなかった同紛争を話題にし、マスコミや国際政治を動かし、世論を誘導し、ついには戦争を勝利に導いた顛末が、迫真のドキュメンタリーとしてまとめられている本です。

このジムさんのやることが、とにかく凄い。
普通。超普通なんです。そして超感じいいんです。

メディア関係者や政治家に対して、おもてなしの心をもって、適切なタイミングで適切な量の情報提供を行う。
全てのコミュニケーションを誠実に行って、信頼を獲得する。
必要なときは自ら汗を書いて、相手が仕事をやりやすいよう便宜を図る。

結果として、彼が伝えたい情報が、伝えたい相手に、スムーズに広がっていく。

戦慄しました。情報という、目に見えない微細なエネルギーを、このように扱うと、これだけの巨大な規模で現実という物理世界を動かせるんだ。情報すげー。地道すげー。マジヤバい。と、感極まりっぱなしでした。

名著すぎます。これを一読しておくだけで、実社会でのコミュニケーションも格段に上手になると思います。

また、全ての企業マーケティング担当、広報担当は、この本を読んどくべきです。
ここに、全て書いてあります。マーケティング/PR/コミュニケーションの勘所とノウハウが、全て詰まっています。しかも物語仕立てで判りやすく理解できます。
もちろん今はネットがあるので、情報がピア・ツー・ピアでダイレクトにそして網の目上に伝わるようになっているのですが、でも違いはそのくらいじゃないかな。

なおこのPR屋のジム・ハーフさんは、今は中国の政府や企業関係の仕事を主に受けているとのこと。
詳細は判らないのですが……日本としては脅威なんじゃないですかね。

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