先ほど、金環日食用のメガネを求めてコンビニを回っていた時のこと。
僕:「金環日食用のメガネってありますか?」
コンビニの店員のおじさん:「あー、昨日まで山盛りであったんですけどねえ、売り切れちゃったんですよー」
そこにいたのは、60歳くらいかな? ふつうのおじさんでした。
もうお年なのに日曜夜の23時にコンビニでお仕事なんて大変だな、と思っていると、
おじさん:「ちょっとまって、付録でメガネがついてる雑誌があるかも」
といって、雑誌コーナーを探してくれました。
親切なおじさんだなあと感激していると、諦めたように首を振って、雑誌コーナーから戻ってきました。
おじさん:「雑誌ももう売り切れてましたね……」
僕はご足労のお礼をいい、ついでにちょっと漏らしました。
僕:「チラっと一瞬だけ見てもダメなんですかね」
するとおじさんは、急に堰を切ったように、語り出したのです。
おじさん:「まあ本当に一瞬チラっと見るだけなら、普段もたまに太陽をあおぐ時もあるでしょうから、大丈夫ではありますけどね。
でもそれだと、金環日食は見えないんですよ。金環日食は完全に太陽が隠れる訳じゃないから、結構周囲は明るいままだし、太陽の方を見ても、太陽が小さすぎて、それとまぶしくて、ちゃんと見れないんですよね。
それでつい長く見てしまって目を痛める、というのが、金環日食の注意点なんです。まあ明日は曇りだという予報ですから、薄い雲がかかってたほうが金環日食は見やすくて、そうだと肉眼でも結構楽に見れちゃいますけどね。
あとピンホールあけた箱から覗いたりした方が、欠けて行く形は見えると思いますよ。
それとどうしても直接見たかったら、ガラスをろうそくであぶって、それですかせば結構見れますよ」
……なに? おじさん詳しい! なんで!?
おじさん:「昔、天文学者でしたから」
……意外なところで意外な人物に出会えました。
人生いろいろなんですね。