「まるで麻薬だ…。」と絶賛される、一風堂ニューヨーク店の角煮まん。
先日、「【悲報】日本の一風堂には「角煮まん」は存在しない」という記事を書いたら、親切な方から以下のような情報をいただきまして。
「一風堂銀座店には角煮まんみたいなものがありますよ。「GINZAバンズ」という名前です」
なんですと!
ちょうど同じ頃、角煮まんについていろいろ調べていたら、レビューサイトに
ニューヨークで生まれた新前菜は〝逆輸出〟され、今日本でも人気上昇中らしい。(ソース)
と書かれていたので、日本にもあるはずだと思っていたんですよね。
と、言うわけで、行って参りましたよ。一風堂銀座店へ。
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当日は朝から楽しみで仕方ありませんでした。なにせあれほど絶賛されている角煮まん! ものすごい美味しかったらどうしよう! 2個、3個、4個食べちゃおうかしら!
当日は朝にトマトジュースを一杯飲んだっきりで、ランチも抜き。お腹をすかせて楽しみを最大化しようという作戦です。
そして夜。
僕は銀座の地へと降り立っていました。
なんか集中豪雨が来ていて、大粒の雨が身体を濡らします。
でも空腹のあまり野獣と化した僕には、まるで障害になりません。
傘もささず、競歩!?というくらいの早歩きで、スタスタと一風堂銀座店へと向かいました。
一風堂銀座店は東銀座駅のそばにあります。ファミリーマートの隣、細い入り口を入って、階段を降りると……
そこはもう店内。約束の地です。
期待が膨らみます。
席について、メニューを見ました。
すると……
あった! 「GINZAバンズ」!
この見た目! 間違いないよ! これだよ!
興奮のあまり呼吸が浅くなります。
店員さんが注文を聞きにきたので、僕はこう言いました。
僕:「GINZAバンズを2つください」
店員:「はい。ラーメンはいかがなさいますか……?」
僕:「結構です(キリッ」
格好いい俺! ラーメン屋なのにラーメンを拒否!
全ての胃容量をこのGINZAバンズに注ぎ込む気満々! この時点でGINZAバンズをもう一度お代わりする気マンマン!
店員さんは不思議そうな顔をして、去って行きました。
僕は背筋を伸ばして、待ちます。
あまりにもお腹がすいたので、待っている間、本来ラーメンのトッピング用に置かれている辛味もやしと辛味高菜をつまんでしまいます。
そして……
とうとう来ました!
THIS IS IT!
これがそれ!
夢にまで見たあの角煮まんが、とうとう目の前に!
ワクワク感が最高潮に達します。ああ、いま僕は生きている!
横から見たところ!
ああ! シャキシャキなレタスと、とろーりマヨネーズと、あと角煮と……
……あれ?
角煮、なんか薄くない?
角煮というからには、もっとこう、コロッと分厚いはずじゃない?
バンズを開けて確認してみることにしました。
ちょっと写真がわかりにくいですが……薄い。なんだこれ。
角煮じゃない。ラーメンのチャーシューほどのボリュームもない。
チャーシューを切ったあとのクズ、みたいな感じ。
食べてみました。
……美味しくない(泣)。
肝心の肉の部分はあまりにも薄すぎ、ほとんど食感がありません。シャキシャキレタスとたっぷりマヨネーズの味ばかりが広がります。
バンズも、蒸し過ぎでしょうか? 一部堅くなっています。
これなのか……
これが、僕が探し求めていた、あの伝説の「角煮まん」なのか……
これでは角煮まんではなく、チャーシューまんでもなく、「チャーシューの屑まん」ではないか……
僕はがっかりし、号泣しながら店を出ました。外はまだ雨。涙と雨粒が混じり合います。ふと気づくと猛烈に豚の角煮が食べたくなっていました。満たされなかった欲望が暴力的な勢いで僕の中を駆け巡っています。もう我慢できない。雨の中、銀座三越へダッシュ。きっとここにあるはず。エスカレーターを駆け下りて総菜コーナーへ。店内を1周、2周、3周。しかし……豚の角煮がない! ありとあらゆる食が揃っているというのに、豚の角煮だけがない! 角煮丼まであるのに、角煮だけが売っていない! こんな馬鹿な話があるもんか、いったいどうなっているんだ。運命なのか。僕は今日豚の角煮と逢うことがことは決してできないということが因果律によって定められているのか。いや、まだ諦めるのは早い。僕は外へ飛び出し、右舷を睨みつけました。銀座松屋がある。入る。地下へ。1周、2周、3周。ない……いや、あった、ようやく端っこの店でこっそり売っている豚の角煮を見つけた。1050円。高い。ためらいはない。買う。イートインコーナーへ直進。震える手で包みをほどき、高校生が牛丼にがっつくような速度で口に運ぶ。不味い。いったいどうやって作ったら豚の角煮がこんなに不味くなるんだ? 今まで食べた中で一番獣臭く、一番味が染みてなくて、一番甘ったるい。ああ不味い不味い。でも箸を止めることができない。もう食べはじめちゃったし。なんということだろう。僕はオンオンと嘆き悲しみながら、豚の角煮に似た不味い肉のかたまりを完食しました。
報告は以上です。
一風堂銀座店にあるGINZAバンズとやらが、ニューヨーク店にある角煮まんと同一のものなのかどうかはわかりません。
もし同一だったら、どうしてあんなに別に美味くもない饅頭が人気なのかさっぱり理解できないし、もしニューヨークのものはもっと肉がブ厚く角煮の味がしっかりするのであれば、是非ともそれを、いつの日か食べてみたいと思う次第です。
あと、検索している途中で、岩崎本舗の「長崎角煮まんじゅう」がネットで売られているのを発見しました。
角煮まん自体は長崎オリジナルなので、これを食べた方が満足感高いかも……買ってみようかな……
僕の角煮まんジャーニーは、まだまだ続きそうです。