一風堂ニューヨーク店で角煮まんが絶賛されているのを見て以来、角煮まんが食べたくてしかたありません。
普通の日本の一風堂に行ったらなくて、あると噂の銀座店にあったものはまがい物でした。
僕の角煮まんを求める旅は続きます。
と、いうわけで、このたび舞い降りたのは横浜中華街。
まず向かったのは市場通り。
「横浜中華街の超人気肉まんベスト50を食べ尽くす!」というページにて堂々2位にランクインされている「日日華」の角煮まんをゲトるべく、歩を進めます。
野生のヒョウのごとく、周囲に目を配りながら市場通りを歩いて……
あれ? 通り抜けちゃった。
見逃したかな? 狭いし、混んでてゴチャゴチャしてるからなあ。
もう一度歩いて……あれ? また通り抜けちゃった。
一体何往復したでしょう。一度など店と店の間にある隙間みたいな小径に潜り込み、中庭風の空き地で展開されている中国のスラム街みたいな異世界にはまりかけたりしてしまいました。
でも……見つかりません。
何度歩いても日日華がありません。
おっかしいなあ。場所が市場通りじゃないのかな、と思って、「日日華」で検索してみると、検索結果の下に以下のキーワードが。
閉店!
どうやら2008年くらいに閉店してしまっているようです。改名して再開しているのかどうかも不明。
残念です。僕の行動は完全に無駄足でした。
敗者のように肩を落として中華街を歩きます。
すると、人だかりにぶつかりました。
どうやら焼き小龍包の有名店なようです。
しかし、メニューを見ると、どうやら角煮まんも売っているようなのです!
別にエフェクトかけたわけじゃないのですが、もう一度撮影すると、なんか店が神々しい光に包まれていました。
さっそく列に並び、裏返った声でかかか角煮まんください!と注文します。
お店の人が確認してきました。
店員:「小龍包は?」
僕:「いりません!」
格好いい俺! 小龍包で有名な店なのに小龍包を拒否!
震える手で代金を払い、角煮まんを受け取ります。
さあ、いただきます!
中には角煮が入ってました。
うん、角煮だ。間違いない。
ブ厚さといい味といい、角煮だ。
普通に美味しい。
……なんか違う……
完食してひといきついた頃には、僕はすっかり、自分の本当の気持ちに気づいていてしまっていました。
そう、あたしは別に、角煮まんが食べたいわけじゃなかったのよ。
あたしが食べたかったのは、一風堂ニューヨーク店で絶賛されていた、あの角煮まん。あれだけ。
それ以外の角煮まんは、いくら美味しくても、関係ないのよね。
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と、言うわけで、僕の角煮まんジャーニーはまだまだ終わらなそうです。
あの角煮まんが東京に上陸するまで、あるいは何か不思議なことが起きて食べれるチャンスが巡ってくるまで(「NYに行っておいでよ! 旅費は任せて!」と妖精さんが手配してくれる、など)、爪を研いで待っていようと思います。