美人すぎる広報、サントリーのキバヤシさん(本人は本名出していいと言ってるけど一応仮名に)が異動するとのこと。5年ほどに及ぶソーシャル広報、誠にお疲れさまでした。
彼女は、最初に会ったときから衝撃的でした。場所は「アルファブロガー・アワード2007」の発表会会場。この会は古参ブロガーの忘年会の様相を呈していて、それはそれはWeb的な、サブカル的な空気がむんむんとしていました。
彼女はそこにいました。いい意味で、まるで場違いでした。丸の内OLみたいに小綺麗で、接客のように丁寧な口調。伸びた背筋。そしてハーフっぽいハッキリした目鼻立ちの美人ぷり。当然のことながら周囲から珍しがられ、彼女たちの周囲には何重もの輪ができていました。
確かコグレマサトさんと一緒に来ていたんだっけな? コグレさん曰く、彼女たちは最近「あちこちのネット系やブロガー系のイベントに参加しまくっている」んだとのこと。そしてサントリーの広報だとのこと。
サントリー?
これがまた意外でした。2007年当時、サントリーのような、テクノロジーとは関係がない、しかも大企業が、こちらに興味を持つというのは聞いたことがありませんでした。しかも広告代理店仕込みでもなさそうだし、近々にイベントを企画しているというわけでもなさそう。
正直、何故そこにいるのか、意味不明でした。それからというもの1年くらい、どのイベントに行っても彼女たちは隅っこにたたずんでいて、ただただひたすらに感じのいいオーラを放出していました。
最初はなんとなく遠巻きにしていましたが、あまりにもしょっちゅう見かけるので、少しずつ距離が近づいていき、仲良くなっていきました。
これが後の(そして今に至る)、「ハイボール」大復活ブームの、ネット分野における重要な土台になったのです。
彼女は飲み会に参加し、イベントに参加し、個人的にも飲みに行っては、仲良くなり、信頼関係を築いていきました。お酒が好きなので飲み会なら大歓迎だ、と、こちらから誘いやすい空気も出していました。そして長い時間をかけて少しずつ、本当に少しずつ、ネットでの情報発信の仕方を教えてもらったり、イベントを企画したり、新製品の紹介などをしていきました。
会社関係の案内があるときは、彼女はいつも少し申し分けなさそうでした。しかしその時点では僕はすっかり彼女を信用していたので、いくら誘われてもいくら紹介されても、全然悪い気はしませんでした。
彼女は一生懸命、溶け込もう、仲良なろうとしていました。不器用なほどに。
そして僕は、彼女を通して、今まではビバレッジの会社という印象しかなかったサントリーという企業に対して、大変な好印象を抱くようになりました。
「モノを売ろうとするな、まずは仲良くなれ」というのはよく営業指南本やマーケ本で見かける台詞ですが、それをいやらしくなく、わざとらしくなく、これほどまでに見事にやってのけている例は、僕はほとんど知りません。キバヤシさん以外だと、あとは豚組/miilの中村仁さんとか、ごく少数しか頭に浮かびません。だいたいは普通に友だちになるか、あるいはネタ提供の情報源になるか、どちらかに偏る気がします。
しかもキバヤシさんの場合は、笑っちゃうほどの美人です。なるみんがイケメンがネタになるように、キバヤシさんは美人がネタになるレベルです。
正直に言うと、あれほどの美人がこちらと仲良くしたいはずはない、どうせ仕事だろう、というのが、最初に遠巻きにしていた理由でした。しがし長年に渡る彼女の辛抱強い友だち付き合いで、僕の偏見と猜疑心に満ちた心は、少しずつ少しずつ融かされていったのでした。今では僕も、彼女は本当に普通に仲良しが作りたかったのだ(もちろん仕事というのもあるけど、それ以上に、という意味で)と、信じられます。
そんな彼女が、このたび本人の希望していた部署に異動するとのこと。おめでとうございます!
一方で多少の寂しさもあります。これからもよかったら仲良くしてくださいね。
※この記事は、キバヤシさん異動の寄せ書き用に書いた文章を公開したものです