ひろぶろさんも言うように、やっていること1つ1つは単純なんですよね。
足の動きは、クラブやランニングマンと呼ばれる超基本ステップとその亜流のみ。手の動きもウェーブというよりは、なんというか技と呼べるほど高度な技すら入っていない。
でも、すごく雰囲気があって格好いいです。
恐らく、かなり踊り込んでいます。
彼自身の体型にとって、一番ナチュラルな動きが身についている。だから独特のニュアンスが出る。
自分の動きが完全に自分のものになっているので、足の位置や手の位置をちょっと変えても自然に対応できる。だから見てる側からすると、色んなバリエーションのステップを踏んでいるように見える。
「個性を存分に生かしている」ところが、彼の踊りの魅力だと思います。
振り付けじゃないところもポイントです。
自由にアドリブで踊ってる。身につけた数少ない動きを存分に活用して、音楽に乗って、楽しく遊んでいる。
「正しくやらなきゃ」「間違えないようにしなきゃ」という緊張感がない。
僕がソロのフリースタイルのダンスが好きなのは、こういうダンサーがありうるからなんですよね。
本当はダンスって、ひとりひとりの骨の構造や筋肉の性質で、スタイルが変わるはずなんです。
得意なステップやムーブも違うし、同じステップを踏んでも、人ごとに全く違う感じになるはず。
誰も真似できない「その人ならではの動き」が色濃く出るのが、ソロダンスのいいところだと思います。上手い/下手や、センスがある/ないより大事です。
ストリートダンス系はソロのフリースタイルこそが醍醐味だしルーツだし魂。中学校でヒップホップのダンスが必修科目の1つになるそうですが、どうせなら、ソロのフリースタイルについても教えてあげて欲しいなー。実際にやらせるのは、恥ずかしがる子も多そうなので難しいかもしれませんが、ビデオを見せるだけでも、楽しい授業になるんじゃないかしら。
みんなで一緒にリズムとりと振り付けやって、それだけでおしまいじゃ、もったいないと思うのですよね。