今朝の通勤電車で、スーツを来た小太り目のOLが、閉まりかけの電車から飛び出ようとして、扉に挟まれ、大声で
「はぶほっ!」
って叫んでました。
人って「ひでぶ!」や「あべし!」みたいなこと本当に言うんだ!
(「北斗の拳」より)
一瞬車内がざわつき、その後、笑いをこらえている人、こらえきれなかった人、さまざまな人間模様が生まれました。
朝の混雑しギスギスし鬱々とした電車内の空気は急速に和らぎ、ほのぼのとした春の陽気が入り込んできたようでした。
ふと、隣のおじさんと目が合いました。僕たちは互いにほんの少しだけ笑い合い、肩をすくめ、また正面を向きました。でも晴れやかな気分になるにはそれで充分でした。
もしかすると、あのOLは実は天使で、身体を張って我々を癒してくれたのかもしれません。いやそれはないか。
聖☆おにいさん(8)
中村 光 (著)