谷川俊太郎のことを書くのは難しいのです。あまりにも長期に渡り、あまりにも多方面で活躍しているので、説明だけで長くなるし、どこまで詳しく調べても穴が出てしまって「そんなことも知らなかったのw?」と嘲笑の対象になりかねません。
でも、あまりにも素敵だったで、やはり紹介。
雑誌Coyoteと東京国際文芸フェスティバルとのコラボなのかな?とにかくムックみたいな感じの「Coyote 特別編集号 2013 ◆ TOKYO LITERARY CITY」。
Coyote 特別編集号 2013 ◆ TOKYO LITERARY CITY [大型本]
この特集本の巻頭を飾っていたのが、谷川俊太郎さんの詩だったのですが、これがもう感性が瑞々しくて瑞々しくて。
詩というのは全体が短いので、引用の範囲で済ますのが難しいですが、でも何ヶ所か紹介してみますね。
小商いに賑わう商品の産声を聞いていると
LINEの顔文字が微笑みかける
眞も善も美の仮面をかぶっている(「素顔」より)
廃刊するコミック 煮られる大根
累積する赤字 鳥居のない参道
化粧するおかま 化粧を落とすモデル
失われた地名 閉じた画廊(「リスト」より)
とても81歳(!)とは思えない若さで、思わず何度も読み返してしまいました。
ネットを散見すると、谷川さんは公式サイトを立ち上げたり、紙と鉛筆ではなくマックで詩を書いていたり、有料メルマガをはじめたりして、老いてなお好奇心いっぱい、活動的で精力的なようです。
僕も最近は子どもに絵本を読むことが多いため、再び谷川俊太郎に接する機会が増えています。
絵本も出しているし、子ども向け詩集も出しているし、翻訳もしているし、ほんといろいろやっているのですよね。この前、家の絵本を整理したら、谷川さん作の本が4冊も出てきました。
個人的にはこれがお気に入りです。
ことばあそびうた
谷川 俊太郎 (著), 瀬川 康男 (イラスト)
日本では、毎年、村上春樹さんがノーベル賞をとるかどうかというのは大騒ぎになりますが、僕は谷川俊太郎さんの方がノーベル賞にふさわしいのではないかと思います(個人的には村上春樹さんは大好きな作家なのですが)(谷川さんは国からの褒章も断ってるくらいなのでノーベル賞には興味ないでしょうが)(なんかノーベル賞が急に猥雑な印象を帯びてしまいますが)。