※ゴーストライターによる投稿です。
ハローエブリワン、いちるだ。
こんな雪の日だけど元気にタリーズに来ているよ。今日は訳あって渋谷の東急プラザ店だ。こんなふうに僕がタリーズに来ると、必ず何かが起きると思い込んでいる人もいるかもしれない。でもそれは大きな間違いだと言っておこう。
たしかにいまこの瞬間、僕の並びに座っているカップルの女の子の方はかわいい紙袋を脇に置いていて、このさき何か動きがありそうだ。けれど、僕だけがいつもそんな微笑ましい場面に出くわしているわけじゃない。
きっと誰もが日々の生活の中で素晴らしい出来事に対面しているんだと思う。でもそれに気づいていない人が実は多いんじゃないか。この世の中、あまりに見えてしまうモノが多いし、聞こえてくる音は雑多で大きい。どんなに印象的な出来事だってすぐにノイズに飲み込まれてしまう。
だから最近じゃ、驚いたり、感動したり、笑ったり、がっくりきたり…なんでもかんでもFacebookに投稿して、「いいね!」をもらわないと、本当にそれが自ら経験したものなのか実感がわかなくなる。そんな自分がたまにいる。
でもそこで、たった1日でも「いちる」になったつもりで生活してみると、世の中はきっと昨日よりクリアに見えるはず。事実、僕は今日、いちるとして生きるための1つの儀式としてタリーズにやってきたわけだけど、うん、やっぱり違うね。全然違う。
「いちる」というのは面白可笑しい出来事にエンカウントするだけのおじさんを意味する言葉ではないんだ。どちらかといえば、ひとつの生き方のようなものだと思う。スマホをポケットにしまって、イヤホンを外して、タリーズでコーヒーを飲んでいるとそれがよくわかった。
雪の日のタリーズはいつもより混んでいる。隣のカップルは何事もなくタリーズを出て行った。