今日は、一日の終わりをタリーズで締めくくろうと思ったんです。
注文のため、レジ前に並びました。
僕の前には2人組の女性がいました。赤坂ではめずらしい類の、髪の毛が油ぎった、とても太った2人です(申し訳ございません……でも本当にそういう見た目だったのです……)。
2人は楽しそうに、仕事か何かの話をしています。
そんなに大きな声ではなかったので内容までは判らなかったのですが、その2人のうちの1人が、さも面白い言い回しを思いついたかのように、大きな声で笑いながら、こう言ったのです。
「赤子をひねるようなものよ。ブヒヒヒヒ」
……手じゃなくて身体全体をひねるつもり!?
赤子を殺るの!? それにその笑い方は何!? と、恐ろしさのあまり二重に驚き思考が停止したまま列が進んでしまったので、僕はレジ前に立ってはじめて何を飲もうか考えはじめ、もたもたしてしまいましたとさ。めでたしめでたし。
凍てつく世界
ケン・フォレット (著), Ken Follet (著), 戸田 裕之 (翻訳)