映画『ホビット 決戦のゆくえ』を観ました。『ロード・オブ・ザ・リング』からはじまった指輪物語映画化プロジェクトの最後の作品です。少し寂しいですね……
以下、ネタバレなし感想です。
えっと、端的に言うと、すごかった。
はじまった瞬間、前回の続きでドラゴンがバーッと飛んできてボーッと炎を吐いて、そこから怒涛のアクションに次ぐアクションで、あれよあれよという間に終わっていました。
物語の骨子は、ほとんど小説の『ホビットの冒険』ではあります。ただ映像になって効果音がドンドン鳴って、言葉が声や表情に乗っていると、より一層物語の迫力が伝わってくるように感じました。
できれば原作を読んでから映画を観ると、「あの描写がこんなシーンに!」という驚きをよりいっそう楽しめると思います。
日本で、例えばドラクエ/ファイナルファンタジー/ロードス島戦記/バスタード辺りからはじまる日本独自のRPG的ファンタジーの洗礼を受けていると(僕もそのひとり)、この映画のような世界は、なんというか、「もうちょっと厨ニ病要素が欲しい……『伝説の剣』とか『最強の魔法』とかみたいな」というような物足りなさを感じるかもしれません(*グインサーガやアルスラーン等々のことは忘れていません)。
ただ、この『ボビット 決戦のゆくえ』のようなファンタジーが、元祖であり王道のファンタジーです。
ドラゴン。財宝。洞窟。エルフ。ドワーフ。怪物。魔法使い。塔。剣。王。冒険。
豊かな想像力をもって細部まで丁寧に構成された「ファンタジー世界」という別世界に思う存分浸る。その世界を身体全体で潜り抜ける。『ホビット』や『指輪』型ファンタジーは、そうやって楽しむものなのだと思います。
そうだ、それと、この作品は、これだけ見てもよくわからないですからね。
以下のような条件分岐で、お薦めの鑑賞方法が変わるでございます。
1.ロード・オブ・ザ・リングから観続けてる方。マストです。決して後悔しないでしょう。
2.ロード・オブ・ザ・リングは見てるけどホビットの方は観てない方。まずはホビットの1と2を観た方がいいと思います。
3.何にも観たことがない方。できれば最初にこの『ホビット』の3部作を観て、その後『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を観てみてください。時系列としてはこの方が合ってるので、この時系列の通りに観た場合にどんな感想になるのか、とても興味があります。
いずれの場合も、映画を観た後でも前でもいいので、原作(『ホビットの冒険』と『指輪物語』)を読むこともお薦めします。最初は少しとっつきにくく感じるかもしれませんが、とても深いです。超深い。何度も読み返せる古典的名作です。
本作とは全く関係ありませんが、ファンタジーという意味では、以前小鳥ピヨピヨで激推しした『ドラゴンランス戦記』とか、あと深みという意味で指輪物語の域に達していると個人的には思っている『ゲド戦記』もオススメします。
あと『まおゆう』ね。この記事で言うファンタジーとは真逆かもしれませんが、あれは面白い……