別に進撃の巨人やいぬやしきや聖☆おにいさんやシドニアの騎士やグラゼニや刃牙や火線上のハテルマやその他5本くらいの「いつも次回が楽しみで楽しみで仕方がない」とワクワク待ってる、というわけではないはずなのですが、何故か毎回買うし、読むたびに予想以上の満足感を与えてくれる漫画があります。
マキヒロチさんの『いつかティファニーで朝食を』です。
いったいこの魅力をどう伝えれば良いのかな……
1〜2巻くらいまでは、美味しい朝食の店を知るために読んでたんですよね。キャラの表情つき食レポが食欲をそそり、「朝ごはんをちゃんと食べよう」というモチベーションにつながっていました。
だから、キャラには「アラサー女子の典型を何パターンか集めてみました」という意味以上のものは感じなかったし、ストーリーも、美味しい朝食を美味しそうに感じさせるための小道具くらいに思ってて、特に面白みは感じていませんでした(ホントすみません……)。
それが、3巻くらいから、様相が変わってきます。
この漫画では、キャラはリアルに時間を経過していきます。
20代から30代へ。
ひとつの仕事から別の仕事へ。
東京から地元へ。
彼氏アリから彼氏ナシへ。または彼氏ナシから彼氏アリへ。
夢から現実へ。または現実から夢へ。
家庭から社会へ。または社会から家庭へ。
はじめはただの「アラサー典型」の記号みたいだったキャラたちが、リアルに経過する時間と共に、環境も変化していって、それにともない、考え方や心境も変化していく。
人物像が多面的になり深みを増し、魅力的でまるで本当に近くにいるかのような親近感を覚えるようになっていく。
そして今週発売された最新刊の6巻では、取り扱うキャラクターもグッと増え、「様々な人もよう、人生模様」みたいな様相を呈していく。
なにこの深み! 繊細な襞まで捉える心理描写や、ストーリーテリングの妙は、よしながふみのレベルに来つつあるんじゃないかと思うくらいです。
なおかつ、最初からあった「美味しい朝食」を紹介する食レポもおろそかにしない。
その辺のお得感も忘れてない。
そんなわけで、毎度ほっこり楽しみにしているのです。マキヒロチさん素敵な漫画をありがとうございます。
今日のランチは、この「いつティファ」で紹介されていた店に行ってみようかな。
いつかティファニーで朝食を 1
マキ ヒロチ
いつかティファニーで朝食を 2
マキ ヒロチ
いつかティファニーで朝食を 3
マキ ヒロチ
いつかティファニーで朝食を 4
マキ ヒロチ
いつかティファニーで朝食を 5
マキ ヒロチ
いつかティファニーで朝食を 6
マキ ヒロチ