何かの拍子に「あの伝説のダンサー『MARQUEST』が復活している」という情報を耳にしまして。
(from Still1)
僕は興奮し、慌てるあまりタップミスを繰り返しながら検索してみたら、確かに2012年辺りから復活しているらしい。
でも、もう45歳くらいなんじゃないかな……ずっと続けてたならともかく、今から復活とか、すげえな……
YouTube見まくりました。
こんな感じになってました↓
格好いい……相変わらず天才だわ……
僕がMARQUESTを知ったのは、「90年代にZOO(今でいうEXILEみたいなチーム)がミュージックビデオ撮影のためにニューヨークに行ったときにスタッフが撮ったとされている『ZOOの裏ビデオ』」として当時ダンサーたちに出回っていたVHSでのこと。
検索したら、全部じゃないけどちょろっとありました。懐かしすぎて涙出るなー。これ↓
緑色のがMARQUEST。その、オールドスクールとニュースクールが混じったスタイルと、ぬめる粘土というか水中のタコというか、なんともいえない独特の触感的な動きは、一度見たら忘れられないものでした。
僕は彼のダンスによって、はじめてスライド(ムーンウォークみたいなやつ)の魅力に気づき、それ以来ほぼ毎日少しずつスライドの練習をしています。
しかし……まだ、全くできません。ツーッと滑っちゃって、ぬめり感がない。
どうやら僕はスライドの才能がないみたいです(泣)……が、諦めずにもう数十年続け、必ずモノにしようと思います。どうしてもMARQUESTのように滑りたい! 彼の示したものは、そのくらい僕に刻み込まれています。
(この記事とは関係ないけど、僕はこの裏ビデオでEJOEを知り、憧れ、その気分だけでニューヨークに行き、ホテルにチェックインしてさあメシでも食うかとホテルを出たら、目の前をEJOEが歩いていた!という、今までの人生全体を振り返っても一番奇跡的な出来事に遭遇した事があります。
だってニューヨークって何百万人いると思います? 何のツテもなく、会えない確立99%で渡米したっていうのに、着いた瞬間会うって、これ奇跡に限りなく近いでしょう。今だったらこの経験を元に引き寄せの法則などにハマっていたかもしれません。危ない危ない。
EJOEにはその後数週間お世話になって、昼間の公園での時間のつぶし方とか、ニューヨークのアンダーグラウンドなシーンをたくさん紹介してもらいました。人生における僕の師匠の一人です。ラブEJOE!
僕の「何故ダンスをやるの?」という質問に、「俺たちの環境では、ダンサーになるとか、そういう強い目標がないと、皿洗いするかギャングになるしかないんだ」と言っていた言葉が、今でも身に染みます)
ALIVE TV!(90年代半ばくらいにアメリカで放送されてた、アンダーグラウンドヒップホップダンスシーンのドキュメンタリー番組)にも良く出てましたね。
そんなMARQUEST、単に復活しただけじゃなく、かなり積極的に活動しているようです。
「JUSTE DEBOUT」というダンスの世界大会(僕も参加した事あるのですが、その最中に3.11が起きて、いろいろな意味であれでした)にも参加してデモで踊ったり、世界のあちこちでインタビューに答えたりワークショップを行ったりしています。
もちろん日本でも。そして名言を残してくれています。
トライしなかった奴だけが敗者で、それ以外は皆勝者さ。バトルという結果が出る物に敗れたとしても、何かが自分の中に残ればそれは勝者なのさ。この意味をよく理解して欲しい。(生けるHIP HOP界の伝説、Marquestスペシャルインタビュー!より)
ダンスのバトルについての話なのですが、いろいろなことについて言える、何気な名言だと思います。
どういう経緯で何があったのかはわかりません。確かにMARQUESTは今までも、完全に消えた事はなく、司会とかレポーターとかトラックメイカーとかビデオのディレクターとか、HipHopに関わるいろんなところでちょっとずつ顔を出していました。本当にHipHopという文化を愛していて、そこにコミットしているんだなというのが感じられていました。
でも、今回の本気でダンスで復活は……繰り返しますが、ブランクと年齢と今のシーンの状況(2008年前後くらいから、ダンスのスタイルが全世界レベルで大きく変わっている印象)を考えると、ちょっと普通じゃないくらいすごいです。
なんだか夢のある話で、勇気づけられるなあと思った次第でございます。人はいくつになってもチャレンジができる、のかもしれません。
窓から逃げた100歳老人
Jonas Jonasson (原著), ヨナス ヨナソン (翻訳), 柳瀬 尚紀 (翻訳)