米国で電子書籍の売上が失速し、独立系書店の売上が伸びているというニュースを見ました。
これが本当にそうなのかどうかはもう少し調べないといけないとは思いますが、日本でも、あまり電子書籍移行は進んでいません。例えば漫画なども、電子書籍で読むものと紙で読むもの、みたいな感じで、ハイブリッド型になっている場合が多いように感じます。
僕はこれは当然の流れだし、かつ、ぜひ今後もこうあって欲しいと思っています。
専門的な分析は上記リンク先に任せるとして、超主観的な視点から、理由を書きたいと思います。
といっても、理由は単純。「子どもと本屋に行きたい」からです。
こんな感じをイメージしています。本屋に行く。いろんな本が並んでいる。子どもは、こんなに多種多様な知識があるのかとワクワクする。専門的な本や、今まで考えたこともないような分野の本や、実は自分たち向けの本や、ちょっと背伸びしないとわからない大人向けの本などの間を散策する。
「パパ、この本は何の本?」と子どもが聞く。僕はわかる範囲で本の説明をする。子どもはその本を読むかもしれないし読まないかもしれないけど、ちょっと何かを「知った」気になる。
気に入った本があれば買って「自分のもの」にしたい、一度読めばいいくらいであれば図書館に行って借りてもいい。
もっと子どもが大きくなったら、「この本屋で本を買うときはツケで買っていいよ」とかやりたい。僕の友だちに、本屋でツケでいくらでも本が買えた人がいます。その人は今、さまざまな知識を横断して使いこなす優秀な編集者となっております。そういえば(最近彼の名前を出しすぎて少し恥ずかしくはありますが)村上春樹も、子どものころはツケで本を買えていたとか。
ツケで本を買えるためには、本屋が大きな資本の入った巨大書店だけになってはいけません。「街の本屋さん」とか「セレクトショップみたいな本屋さん」とか「ジャンル特化型の本屋さん」といった、そこにいる店員さんと仲良くなれる本屋が必要です。こういった本屋さんが、従業員とその家族が生活できるほどの利益をあげるのは様々な工夫が必要でしょうが、いち消費者としては、こういう、書店員さんの顔が覚えられる本屋を希望します。僕の近所で言うと、吉祥寺のブックスルーエとか、絵本専門店のトムズボックスとか。
こうした「本の中を散策する」楽しみは、Amazonでは味わえません。Amazonでは、カスタマイズされた「僕が興味のある本」みたいなものが次から次へと発見できるだけで、子どものワクワク感をなかなか生みづらい気がします。各国の神話(クトゥルー含む笑)関連の本ばかり次から次へと見せられてもねえ。
また、なぜか図書館と本屋でも、散策のニュアンスは変わります。図書館にある本は公共物だけど、本屋にある本は個人で所有できる本です。「借りるか買うか」には、気持ち的な違いがあると思います。
と、いうわけで、本屋さんにはいろんな読書の楽しみ方を提案して欲しいし、もっと特殊な本屋さんが(できれば僕の家の近くに)たくさんできて欲しいし、もうちょっと子どもが大きくなったら、本屋さん巡りをして遊びたいなあと思っている親バカですみませんねほんと……