仕事っぽい話ですが、まあメモ代わりに。
一歩先。
「今、オウンドメディアと呼ばれている『企業がメディアサイトらしきものを立ち上げる』は、熟練で本物の編集者が本格的に運営する、ライフスタイル提案メディアになる」
「出版の未来は「出版社」ではなく「ブランド」にある: WIRED.jp」からいくつか抜粋:
「アメリカのマットレス・ブランド「Casper」は、睡眠の文化をテーマとするオンライン雑誌「Van Winkle’s」を立ち上げた。あちこちにテクノロジーを散りばめた、ライフスタイルと科学的考察のちょうど中間を、編集の切り口としている。」
「この進化をもっとも如実に表すのが、〈ブランド・マガジン〉の爆発だ。つまり、ブランドが完全に出版社の役割を演じている。こうした例は決して真新しいものでもなんでもなく、最初の例は1900年にまで遡る。新興タイヤ企業が旅行者やグルメ愛好家を対象に出版したガイドブック、「ミシュラン・ガイド」だ。」
「数カ月前には、髭用アクセサリーを製造しているブランド、Harry’sが「Five O’Clock」を立ち上げた。非常に特殊なストーリーテリングの手法──フレッシュで魅力的な文体、淡い色彩の写真やミニマルなイラスト──を用いて、男の世界を語る。」
「約1年前、INGグループは、「ING World Magazine」を立ち上げた。経済的性格のあるテーマに焦点を当てた季刊の雑誌だ。専門外の読者でも読めるトーンが特徴的だ。」
二歩先。
「個人、あるいは企業も企業内個人のアプリを出す」
「カイリー・ジェンナーは「未来型のセレブ」だ。たとえあなたが彼女を嫌ったとしても: WIRED.jp」からいくつか抜粋:
「18歳のカイリーは、起業家だ。モデルでタレントで、スターだ。」
「彼女は生まれながらのソーシャルメディア使いだ。そして彼女のファンたちの多くもまた、生まれながらのデジタルネイティヴたちだ。」
「ユーザーは全コンテンツにアクセスするには月あたり2.99ドルを支払わなければいけないが、洋服、アクセサリー、そしてカイリーおすすめのスナック菓子までも見ることができる」
「カイリーのアプリは、楽しい。」
「カイリーのアプリが感じさせるのは、ある種の親密さだ。」
「ファンからの意見や感想は、とても大事なもの。だからわたしはTwitterを使ってるの」と彼女は言う。「でも、いじめだとか、そういったものはいっさい、わたしのアプリには持ち込ませないようにしたいと思っていて。それが、わたしがいま、コメントをアプリでは受け付けていない理由。もし皆が汚いことを言いたいのだとしても、わたしはそんなものは見たくないの」
「ソーシャルメディアが台頭し、テイラー・スイフトやカーリー・クロス、ビヨンセのようなスターたちは、自分たちのパブリックイメージをInstagramやTwitter、Facebookで完全にコントロールするようになった。」
「たいてい、エンターテインメント産業のモデルはスタジオやマネジャー、そしてアーティストとファンの間にいるその他中間業者が大きく儲けられるようになっている。」
「彼女のアプリに月額料金を支払おうとする人たちは誰なのか?
カイリーは手を止めて、こう言う。「きっとわたしのことを愛してくれる人たち。もっとわたしのことを見たい人たちね」。そして、それはほぼ、間違っていないように聞こえるのだ。」
似たようなサービスは、それこそまぐまぐからSynapseからホンダをはじめとするさまざまなオウンドメディアからバーバーリーのアプリからたくさんありますが、今回引用した例は、それとは全く似て非なるものだと感じました。たとえで言うと、あくまでもたとえですが、
● 膳場貴子さんを編集長に迎えた「次世代(つまり自分の子どもたち)」を考えるメディア
● ヨッピーのアプリ
みたいな。
あと、サブテキスト。
「やりすぎて格好つけてるだけではいけない」
「コピーライター仲畑貴志 消費者のレーダーをかいくぐる広告」からいくつか抜粋:
「広告予算のほとんどをテレビが持っていって、残りをメディアミックスという言葉でごまかして適当に配分する。そういう広告予算消化型の発想でキャンペーンをいくらやっても、砂漠に水のごとしだということです。」
「飲み屋で「あのコマーシャルおもしろいね」みたいな会話が行われるようになったということは、すでにその広告は「ばれてる」わけです。それは、商品にいたらず、広告だけ消費されている状態です。「これ、おもしろいね」と広告を消費しているだけで、それが購買につながらなくなって、非常に広告の効率が落ちてきた。だから、広告が消費されない広告づくりが必要になってきたわけです。消費者のレーダーに引っかからない発想、かいくぐり方が大事になってきた。」
「セールスマンが家を訪ねて行った時、子供と一緒に出て来たお客さんに「あら、かわいいお坊ちゃんで」と言っても、庭先を見て「いい盆栽ですね」と言っても、もうだめでしょう。でも、盆栽の神髄を勉強していって、そういうことをパッと言ったらお客さんも話を聞いてくれる。売りたいなら、そこまでやらないといけないということです。」
「酒を買う時に何を購入しているかというと、人々はもちろん「酒を飲めばうまい」ということを購入しているんだけれど、商品がもたらす気分とか、物語性、つまるところは、そういう商品をはさんだ人と人との関係を求めているんです。」
「企業はカルチャーをまといたがるけど、商品を通じて生活や文化を提案していくのが企業で、商品を語らずして文化を語る時代はもう終わってます。結局、工業製品を売っているわけですよ。その工業製品をもっと未来の生活文化に対する提案としてすばらしいものにしていくのが企業の務めであるし、一番美しい。」
「企業でも商品でも、どういう人格にしようかというところが一番大事なんですね。それが決まったら、広告をつくるのは簡単です。」
「一番いけないのは、人格化のためにタレントを持ってくる方法です。要するに、それは企業や商品がタレントの人格ということなんですよね。タレントを使うというのは、そういう表現なんですよ。ところが、同じタレントがあっちこっちの広告に出ている。」
「だれにでも好きになってもらおうという人格の形成を考えているからだめなんですね。だれにでもいい顔するヤツなんてみんな一番嫌うじゃない。なのに、企業はみんなに好きになってもらいたいと思う。」
「以前、ラーメンメーカーからラーメンをつくってくれという依頼があったんです。さすがにそれはお断りしたのですが、その時の雑談で、減塩ラーメンができたら食べますかという話になった。調査でも無視できない数字が出ていた。それで、そのメーカーは減塩ラーメンをつくったんですが、全然売れなかった。作り話に聞こえるかもしれないけど、その後、やけで激辛ラーメンを出したら大売れした。
これは、なんだということになる。データの読み方も問題だけど、結局、人間は分裂しているということなんですよ。調査されるときは、ちゃんと生活しよう、身体にいいことをやろうという私が減塩ラーメンに○をつけたんです。ところが、ラーメンを食うときの私は実に低俗な私なんですよ。それは商品によって違う。そこを見抜けない。人間は統一された人格が先にあるという考えがあるから、データをそういうように読んでしまう。」「クリエイティブのぼくの概念は、効率なんです。ライバル企業が10枚ポスターを張ったら、横に3枚のポスターを張ってその十枚に勝つ。それがぼくらのサービスなんですよ。向こうが10枚張ったら、20枚張って勝つというのはしゃれにならないし、クリエイティブでもなんでもない。」