今年の1月から6月末の間で、10kgほどダイエットをしました。
とはいってもスムーズではなく、実質的にサクサク体重が減り始めたのは5月から。
だから1月〜5月で3kgくらい、2ヶ月間で6〜7kgくらいな感じですかね。
(Withingsという体重計で記録しています)
ダイエット中は毎日記録をとっていたので、いつかブログに書こうと思っていたのですが、あまりにも膨大なデータを前に
「これまとめるの? 本でも書く気!?」
とひるんでしまって、気がついたらもう半年経過。
いい加減処理してしまいたいので、ざっくりと結果とダイエットのコツだけまとめることにしますね。
● 何故ダイエットしたか?
「ヤル気の科学」という本に出会ったからです。
「人や社会はどのようにしてヤル気を出し、それを継続するか?」というのを、アメリカらしく様々な実験や論文や自身の体験を通して多角的に書ききった本です(1/4くらいは、著者が創業したWebサービスの宣伝でもあります)。
読むといろいろな発見があるので、ぜひご一読をおすすめしますが、要点だけまとめると、以下のとおりです。
【ヤル気を出す必殺技「コミットメント契約」】
1.期限と目標を「コミットメント契約」する
2.達成できなかったら、どこか(人か団体)に大金を払う
3.絶対にそれを守る。途中経過を相手にレポートする
以上です。
で、これをダイエットに当てはめた章があったんですよね。
ヤル気を出すコツが知りたかったので、実験として、この本に書かれた方法でダイエットしようとしたのが、きっかけです。
● はじめの準備
僕の場合のコミットメント契約は、こうしました。
【ダイエット・コミットメント契約】
1.「半年以内に10kg痩せる。失敗したら10万円払う」と友人と約束した
2.毎週、体重を友人にレポートした
10万円ですよ! 相手はなにもしないで、ただ僕の失敗を願ってればいいだけ。
成功しても、誰も損しない。失敗したら全部自分の責任。
難しかったのは「10万円を受け取ってくれる相手」を探すことでした。
そういう人って、いそうで、なかなかいません。
仲良しで、応援してくれる人。でも、いざとなったら何の躊躇もなく僕から10万円を受け取れる人。
いろいろ探した結果、とあるドS属性の親友(あとで確認取れたら名前公表します)と「コミット契約を結べ」ました。ありがとう!
● 最初からつまづく
最初は余裕こいてたんですよね。「1ヶ月で2kg弱ずつ痩せるなんて簡単」って。
実は僕は、過去にも15kgくらいのダイエットに成功しています。しかしその後、子どもが産まれ、家事育児でダイエットどころじゃなくなって、1年に1kgぐらいずつ増えていって(これだと気づかない)、気がついたら結構戻ってしまいまして。
前回は岡田斗司夫のレコーディングダイエットだったので、月に4kg弱ずつ減っていたし、別につらくありませんでした。だから今回も大丈夫だろう、と。
この見通しが甘かった。
以前と僕とでは、基礎代謝や筋肉量が全然違ったんでしょう。
だから、自分では以前と同じようにやってるつもりなのに、何故か痩せません。
300g減って300g増える、そんな一進一退を繰り返していました。
● 最適解を模索する
以前と同じ方法ではダメだ。もっと別の、無理なく痩せる方法を発見しなくては……
一進一退する日記を読みながら、痩せる日と太る日の分析をして、今回のダイエットの、自分なりのメソッド叩き台を考えました。こんな感じです。
【ダイエットプログラムVer2.0】
● 朝はヨーグルト&バナナ(250kcal)、夜は少なめに(目算で600kcalくらい)
●できるだけ塩分を控える(水分抜く)、よく咀嚼する(ストレス発散)
● 水分も取り過ぎない。2リットルくらいで抑えとく。
● 週末は家族の手前調整が難しいので基本あきらめる。ただ、(1)できるだけ炭水化物は摂らない、(2)一食の量を少なめにする、(3)食べ過ぎたら月曜火曜の朝食を抜く
これで、3月から半月くらいは、スイスイと体重が減っていきました。
● 再び体重が減らなくなる
スイスイと体重が減っていったのも半月くらい。
それからはまた、自分なりにはいろいろ試してるんだけど、何をしても痩せないという状況に。
● ヤバいと焦る
そしてGWがすぎ、「これはヤバい」と焦りはじめました。
期限まであと2ヶ月。減らすべき体重はあと6kg。
今までのようにやっていたら、確実に失敗する。
10万円取られる。
これがコミットメント契約のすごいところですね。
普通、ダイエットとか禁煙とかは、4ヶ月くらいやって成果がでないと飽きて止めてしまうものですが、コミットメント契約があったおかげで、ヤル気を失わず、逆に奮起することができました。
僕は再び、食生活を全般的に見なおしました。
1ヶ月に3kgづつ減らさなければいけません。それも確実に。
「筋肉つけて自然と減らす」とか悠長なことは言っていられません。
食生活を変える。
つまり、自分の1日の生活そのものを変える。
しかもそれを、朝起きてから夜寝るまでずっと意識する。
しかもそれを、毎日続ける。
それができるようなメソッドを早急に確立し、実践する。
データとウンウンにらめっこする夜が、何日か続きました。
そして、ある大発見をしました。
● 「大発見」に至る
大発見、それは、
「痩せる前日は、何も食べない時間が長い」
でした。
たまたま、朝食をとる時間がなかった、とか。
たまたま、昼食をとる時間がなかった、とか。
だとすると、こんな仮説を立てられます。
【ダイエットのコツ(仮説)】
● 何も食べない時間を、できるだけ長くする。
●(これが超肝心)その後もドカ食いしない。「お腹いっぱい」ではなく「空腹ではなくなった」で止める。
でもこれは、今まで僕が調べてきた「ダイエット方法」に反した考え方でした。
ほら、よくダイエット本には「空腹期間が長いと、身体が『飢餓状態だ』と感じ、脂肪を溜め込みはじめる。だから食事を小分けにして、時間を空けず少しずつ食べるのが良い」と書いてあるじゃないですか。
でも……この「小分けに食べる」方法は、普段はいいかもしれないけど、ダイエット向きではないかもしれない。
ダイエット中は基本的に「食べたいのを我慢して」います。だから、最初は「少し」「小分け」で食べているつもりでも、それがだんだん量が増えてきて、結局トータルで見ると結構カロリーをとっちゃうんです。
「デブはダイエット飲料だと3倍の量を飲む(by 長井 秀和)」の法則ですね。
どっちが正しいんだろう……
もう試行錯誤の時間はない……
そこでいろいろ調べているうちに、以下の本に出会いました。
そこには、僕の仮説を裏付けることが書かれていました。
● 仮説を検証する
この本には、こんなことが書かれていました。
● 空腹感は「エネルギーが足りない」状態ではない。空腹感とは「血液中のブドウ糖がなくなった」状態であり、ブドウ糖(=エネルギー)自身は、血液から筋肉/肝臓(そして余剰分は脂肪細胞)に移っている
● だから、空腹感を感じた時に食べると、「エネルギーが溜まっているのにエネルギーを補給する」ことになってしまい、結果的にデブデブへの道まっしぐら
この本は「だから空腹感を感じたら運動を開始しろ」という本なのですが、運動の部分はストイックすぎるので脳内で無視。
それでも、重要な情報をえることができました。
つまり、
● 空腹を感じたときが、ダイエットのスタート!
● 脂肪は空腹の最中に減る
ということなのです(いや、「かもしれない」なのです)!
空腹になってから、それをどれだけ継続できるか(それと、その後ドカ食いしないか)が勝負なのです。
やーこれには本当に目からウロコがオチましたね。
あと、この時期は5月で、湿気が増え、むくみやすい時期でもありました。
水分だって体重です。体内に水分を貯めるのは塩分です。よって、塩分を控えめにし、運動だろうが風呂だろうがとにかく汗をしっかりかくようにする必要もありました。
これに従って、日々のプログラムに大胆な修正を加えました。
【ダイエットプログラムVer2.1】
● 朝はヨーグルト&バナナ、夜は丼半分程度
● 夜はご飯は食べない(おかずに入ってる炭水化物はオッケー)
● 平日はランチ抜き
● 飲み物は、朝のコーヒー、昼の炭酸水500mlとコーヒー、夜はお茶2/3杯くらい
● 夜10時以降は水一杯のみ
● 週末の食事は、家族の手前抜くのは難しいので、できるだけ炭水化物は摂らず、一食の量を少なめにする
● できるだけ塩分を控える(水分抜く)
● よく噛み、ゆっくり食べる(少量で満足)
● 間食できるだけしない
● ストレッチする(血流を良くする)
● 汗をかく(風呂や、時間があればジョギングや水泳)
● ランチなしの生活
「ランチを食べない」。
これは凄まじいチャレンジでした。
だいたい11:30ごろから、「何か口にしたいなあ」という気持ちが無意識の深奥から湧いてきます。
この意識は徐々に強くなり、13:30くらいに狂ったように暴れます。少しでも気を許すと、間違いなく何か口にしてしまう、そのくらいの衝動です。
「衝動」としかいいようがありません。空腹感とか「お腹すいた」とか「何か食べたい」という感情ではなく、ただただ衝動なのです。
自分の中で、自分ではないモンスターが暴れているような感じです。
このモンスターは、3:30ごろまで暴れ続けます。
その後、不思議なくらい急に、モンスターは大人しくなります。
次にモンスターが目をさますのは、帰宅時です。
帰宅時にはいろんなところを通ります。もちろん食べ物屋やコンビニも。
するとそのたびにモンスターが、
「羊羹一切れくらい食おうぜ。カロリー少ないだろ?」
「夕食前に少量食べておくと、お腹が落ち着いてドカ食いしなくて済むよ」
「炭水化物入ってないものなら大丈夫じゃないか?」
とささやき続けます。ささやき女将かメフィストフェレスかってくらいのしつこさです。
これも無視して、でもどうしても我慢できないときは無糖ブラックコーヒー(僕の場合はタリーズのアイスコーヒー)を飲んで、帰宅します。
夕食時も気を許してはいけません。
丼半分くらいの量のおかずを食べた後に、
「あと半分」
「いや、あと、スプーン3杯くらい」
「食後にヨーグルトのデザートを」
「ヨーグルトには蜂蜜を入れると腸内菌を整えやすい」
などなど、色んなことをモンスターが言ってきます。
それも無視して、お腹に意識を向け「お腹いっぱいではないけど、少なくとも空腹ではない」という状態であれば、丼半分で夕食を終わらせます。
「まだ空腹すぎる」ようであれば、もう少しだけ食べます。
その後は、炭酸水1本しか飲みません(僕は炭酸水マニアです。最近はペリエにレモン汁を入れるか、サッポロのグリーンシャワー)。
お腹がすく前に寝るようにします。
● 体重が減りだす
プログラムを忠実に実行したわけではなく、3日に1回くらいはおやつを食べたりしていたのですが、スルスルと体重が減っていきました。
増えたり減ったりはありますが、平均すると1日100gぐらいは確実に減ってました。
● なぜ我慢できたか
「ランチを抜く」「間食をしない」「水分も控える」。
相当なハードプログラムだと思うのですが、なぜこれを実践できたのか。
単に10万円が惜しかっただけではありません。
僕はこのとき、「辛いときは大局に立ち、目標を思い出す」ことを続けていました。
つまり僕の場合は
「なんでこんなことやってるんだっけ?」
「そうそう、ダイエットのためだよな」
「今空腹なの?」
「じゃあ今まさに『ダイエット』真っ最中じゃない?」
「やりたかった『ダイエット』を今まさにやってるわけだから、喜ばしきことじゃん」
「さ、元気だして!」
みたいな感じです。
ダイエットというのは「やってる」「やってない」じゃなくて、朝起きてから夜寝るまで、ずっと続いているものです。
だから、起きてる間中、ずっと、
「空腹はエネルギーが足りないという身体からの危険信号じゃない」
「空腹は脂肪が減るチャンス」
と思い続けました。
慣れてくると、空腹もそんなに苦じゃなくて、「よーしあと2時間空腹状態を維持してみようか」みたいなことも楽に実践できるようになりました。
これはアレですね。エッセンシャル思考ですね。
大切なものに自分の人生を集中させる。
ヤル気にもつながる発想ですし、何かを習得するときの基本的なスタンスでもあると思います。
「習得への情熱」は最近知った本ですが、読みながら「僕のダイエットと通じるものがあるなあ」と思いました。
● ダイエット達成
無事に(しかしギリギリで)、僕は目標を達成することが出来ました。
今もリバウンドはありません。が、実はあともう4kgほど痩せたいので、「ランチを抜く」「水分を取らない」以外のプログラムは、できるだけ今も実践中です。
10万円は払わずに済みましたが、僕と契約してくれた相手には、感謝の印として、それなりの飲み会をごちそうさせていただきました。
● まとめ/重要点
重要なのは、「ある意識状態」を慎重に保つことです。
僕のダイエットの場合は、「空腹は脂肪が減っているサインのひとつだから、喜ばしきこと」という意識状態になります。
この状態を1分、5分、10分ほど保つのは簡単です。
でも、30分、1時間、3時間、16時間もたせるのは、なかなか大変です。
特に僕のように「食べるのが大好き」「ストレスは『食べること』によって発散する」人にとっては大変です。
だから僕は、この「意識状態を保つ」ことについて、綱渡りをしているようなイメージを持ちました。
綱から落ちないように、一瞬一瞬、意識の一部をバランスとりに使う。
お腹が空いているかどうかに意識を向けるのではなく、この「意識状態」をバランスすることに意識を向ける。
それと、それをストレスにせず「喜ばしきこと」と捉える。
それが、僕の場合の「ダイエットを成功させるコツ」でした。
もちろん、前述の「大局に立つ」のも大切ですね。
目の前の状況に意識を取られすぎることなく、「そもそも今、何を大切にしてるんだっけ?」ということを、できるだけ頻繁に思い出す。
この2つは、ダイエットだけではなく、仕事、子育て、勉強、いろんなことに応用可能だとは思います。考えてみると無意識の内にこの方法を使っていたことはよくあるかも。
言うは易し行うは難し、ですけどね。やるときはタイミングをみはからって「えいやっ!」とスタートし、毎日記録を取るといいと思います。
さて。
忘年会、クリスマス、正月、バレンタイン、寒さなどなど、太りやすくなる季節です。
この記事が、みなさまの何かのお役に立てれば幸いです。